月曜朝礼新刊紹介

【文芸】 クマキ  
■ 朝井リョウ 『世界地図の下書き』 集英社 1400円+税
 直木賞受賞後第一作。http://www.shueisha.co.jp/sekaitizu/
(帯)のあらすじ。

 突然の事故で両親を亡くし、「青葉おひさまの家」で暮らすことになった小学生の太輔。悲しみでしばらく心を閉ざしていたが、同じ部屋の仲間たちのおかげで少しずつ打ち解けていく。とくにお母さんのように優しい高校生の佐緒里は、みんなにとって特別な存在。施設を卒業する佐緒里のため、4人の子どもたちは、ランタンに願い事を託して空に飛ばす「蛍祭り」を復活させようと、作戦を立てはじめる……

 カバーイラストは、スタジオジブリ近藤勝也
(担当者) カバーに描かれた人物たちの意思ある眼、凛とした表情。物語が前向きの形で進み、終わるのだろうと想像できる。  


【芸能】 アカヘル
■ 桃山巴編 『水族館劇場のほうへ』 羽鳥書店 5800円+税
水族館劇場はこちら。 http://suizokukangekijou.com/
カバー袖の紹介文より。

1987年に結成された野外劇集団。
中世河原者の系譜にみずからを位置づけて全国に神出鬼没。
役者や裏方も鳶、踊り子、放浪芸人など、あらゆる階層から集結する。
旗上げ以来〈座〉の建立にこだわり、自分たちで13メートルにおよぶ巨大な仮設劇場(こや)を建設。これを野戦攻城の旗と呼んで博覧会的スペクタクルを展開する。
劇団の代名詞とも言える25トンにも及ぶ本水を使った演出、大掛かりな舞台装置、馬や白梟など動物も使って、既存の劇場では見ることのできない祝祭パノラマを現出。
天幕は張るが、一度として同じ形の劇場をつくらない。
いっぽうで寄せ場といわれる、現代社会の最下層労働者が頻集する街にも進駐。
〈さすらいの姉妹〉として冬の路上で投げ銭芝居を上演。
 現代演劇の本流から大きく逸脱した傾奇者(かぶきもの)の精神が、四半世紀を経て注目をあつめはじめた。……

○座長・桃山による書下し  水族館劇場精神史「野戦攻城の旗」
○ブックパノラマ台本『NADJA 夜と骰子とドグラマグラ
○女優・千代次が語り下す、野外劇・テント芝居40年、寄せ場興行17年の軌跡
○冬の寄せ場へ、路上芝居ユニット〈さすらい姉妹〉の『谷間の百合』台本
○“水の劇場“をいろどりささえる、棟梁・舞台監督・美術の裏方座談会
○早稲田演劇博物館、九州大学総合研究博物館での舞台・宣伝美術展を紙上再現

(平野)