月曜朝礼新刊紹介

【芸能】 アカヘル 

■ 西川美和 『映画にまつわる醱について』 実業之日本社 1300円+税  1974年広島県生まれ、映画監督。小説も執筆。7年分のエッセイ集。
【醱】は、「ヒーロー」「裸」「オーディション」「バリアフリー」など。それらのキーワードから語る映画論。
「ヒーロー」について。朝青龍を「ヒール」(悪役)と思ったことがない。いわゆる「万人得心のヒーロー」には惹かれない。ドラマでも映画でも、

……凡そ人の風上にも置けないような主人公ばかりに惹きつけられてきたような気がする。みんな人格も行動も間違いだらけで、賢人の忠告をはねのけ、自分の失態で人生が台無しになっている。けれど、まだ諦めきれない。もう一度闘うんだ、やりなおすんだ、と歯を食いしばっているような人物たち。そういう、悔恨だらけの、黄昏の中に佇むヒーローを、心の糧にしてきた。……


【児童】 
■ 土橋(つちはし)とし子 『おちゃのじかん』 佼成出版社 1300円+税 
 和歌山県出身、絵本作家、イラストレーター。4.12より【海】ギャラリーで個展開催。
 
 家族・親戚8人集まって、世界各地の「お茶」のお話。

ほんま、せかい中には、いろんなお茶があるもんやなあ。
お湯わかして、だれかのためにお茶いれるっていう、おもてなしのきもち。
人にいれてもろたお茶は、ほんまにおいしいもんやなあ。
おかしたべながら、お茶のんで、みんなでいっぱいはなしして。
今もどこかで、だれかさんたちが、こんなふうにうちらみたいに、わいわいお茶のじかんしてるんやろね。


■ 関野吉晴 『グレートジャーニー探検記』 徳間書店 1200円+税 
 医師で探検家。1993年から2002年にかけて「グレートジャーニー」――アフリカで誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸に拡散した道を、南米最南端から逆ルートでたどる――を敢行。その旅のハイライト。
 上野・国立科学博物館特別展「グレートジャーニー 人類の旅」 3.16〜6.9
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2013/gj2013/

 04年から11年、「新グレートジャーニー 日本列島にやってきた人々」――シベリア〜稚内「北方ルート」、ヒマラヤ〜インドシナ〜朝鮮〜対馬「中央ルート」、インドネシア石垣島海上ルート」――踏破。

(平野)
◇ ヨソサマのイベント
■ 『パリの本屋さん 林哲夫作品展』 4.13〜24 メリーゴーランド KYOTO Tel 075−352−5408