週刊 奥の院 10.28

■ IN/SECTS(イン・セクツ) 05 編集・合同インセクツ 青幻舎 934円+税
特集: OSAKA VISION

“きみ”は派手で賑やかで面白い、と思われている。  
たしかに、それらは愛すべきところだ。
だけれど、いつも“きみ”とともに行動する私たちとしては
そろそろほんとの“きみ”らしさ、を追求してみたい。
癖、気配、ニュアンス etc.
“きみ”をよく知るひとたちの分析はもちろん
“きみ”をあまり知らないひとの直感だって見逃せない。
なにか新しい魅力があるかもしれない。
だから、あらためて
そして、あらたな、“きみ”らしさを考えてみたい。
題してOSAKA VISION
“きみ”にはいつもお世話になっております。

○大阪ビジネス・フィロソフィーの、ある光
○ポスト大阪の洗練と“ほつれ”放談
○大阪生まれのトゥーマッチサービス
○浪花のエジソン
○生意気スタイルで大阪を斬る〜おばちゃん野発想を今こそ活かせ!〜
○ハロー、大阪ちくちく女子
ほか、大阪弁、音楽、対談「いま大阪は燃えているか」、「大阪市長は誰がいい?」
アンケート「大阪が誤解されているところは?」より。
●怖そうですわって言われますが……
●うるさいイメージがあるかも
●誤解じゃないかもしれないですが、「大阪は汚い」とよく言われます
●押しが強くてテンポが速いとおもわれている
●みんなふつ〜なのに、お笑い的なこととかに期待しすぎ
●犯罪だらけで危ない、どこでも値切れる
●みんな吉本が好きと
●みんなボケとツッコミの漫才ができると
 おもろい、汚い、ガラ悪い……ということかい?

■ 『古本の雑誌 別冊 本の雑誌16』 本の雑誌社 1600円+税 
●座談会 古本者人生すごろくを作ろう!  
●日本全国古本屋ガイド座談会
本の雑誌傑作選 古本について
 坪内祐三喜国雅彦穂村弘北上次郎岡崎武志南陀楼綾繁山本善行扉野良人……、愛好者たちが語り、書く古本ガイド。
「傑作選」では、椎名誠「さらば国分寺書店のオババ」懐かしい。
 中央線国分寺駅南口にあった古本屋。オババはマナーにうるさい。乱暴に扱ったり、荷物を本の上に置くと、「本がかわいそうでしょ」と怒る。しばらくぶりに行ったら無くなっていた。

……考えてみますとあの店というのは古本屋でありながらじつに本の分類がビシッと正確になされていたのですね。たとえば柴田錬三郎とか池波正太郎とか山本周五郎といったグループと、海音寺潮五郎大佛次郎司馬遼太郎といった作家のグループは明確に区分されていて、これは時代小説と歴史小説というのをもういっそ小気味よくすっぱりと分離していたのでしたね。あるいは海外のミステリーと、単なる海外の小説というのもさりげなく、しかし一分のスキもなく分けていたのでもあります。……

 他の分野も「売れないなら売れないなりに整然と区分され並んでいた」し、本を元あったところに戻さない客を注意するのも、「オババのはてしなく深いところから組み立てられている本格派書店根性によるもの」と、プロ根性を賞賛。
 私は新米の時に、この文章で「区分」のことを知ったのでした。当たり前のことなのですが、そんなこと考えてもいなかったです。

 山本善行「関西古本屋ガイド」で、

 私にとって神戸に行くというのは、海文堂書店に行くということであり、トンカ書店に入るということだ。海文堂書店は新刊書店なのだけど、二階にも一階にも古本スペースがあって、新刊、古書両方楽しめるのがいい。それと、店長も店員さんも楽しそうな仕事ぶりで、それを眺めるのも好きだ。……

と。ありがとうございます。
 トンカ、ちんき堂ロードス書房口笛文庫も紹介。 
(平野)
せっかく善行さんが「楽しそうな仕事ぶり」と書いてくださっているのに、ヒネクレ者が1名おりまして。私とちゃいます。彼奴です。  
NR出版会HP連載「書店員の仕事」は神保町の三省堂書店・大塚さん。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/memorensai_27.html