週刊 奥の院 9.26

■ 『BOOK5』 第3号 特集:しばったりつつんだり トマソン 476円+税  
 縛って、大きな愛で包んでしまう? ヘンな想像。
「本」の内容や造本の美しさについては多くの人が語ってくれる。 

……しかしながら、探求しづらい部分がある。本の運搬と、そのまわりのことである。本は読者の手元に届くまでに、様々な梱包や包装などといった手が加えられている。本を処分したあとも、手が加えられるし、つねに移動させられる。本ほど移動させられるものは少ないのではないだろうか。
今回は、念願であった「本縛り」に加え、包装、ブックカバー、そしてその作業じたいの持つ面白さについて取材・原稿をいただいた。……

古書往来座・瀬戸さんインタビュー(2010.9.22)。古書店「古本大學」アルバイト時代、社長直伝「直球勝負な縛り」。
通称「王子」・往来座の薄田さんによる本縛り実演
旅猫雑貨店・金子さんの包装テクニック。手もみ和紙(4色)を使う。
往来座・のむみちさん 「単純作業の快楽」
「ブックカバーを探せ!」 編集担当者が帰省を利用して、東京から山口、福岡、小倉、名古屋、岐阜を駆けめぐる。


■ 神田神保町古書街 2013』 毎日新聞社 1524円+税 
 神保町の「東京名物・神田古本まつりに合わせて毎年出版。今年は、10.27〜11.3の日程。http://jimbou.info/
特集:巨星の愛蔵書を探してみた 開高健 向田邦子 松本清張 
本好きインタビュー 三上延 柳家喬太郎
エッセイ 吉田篤弘「言葉の宇宙の旅」
対談 岡崎武志×塩山芳明「2013神保町の旅(但し予算は700円)」
最新神保町の古書店情報
喬太郎師匠の話から。
中高生のころ、放課後のたまり場は地元の本屋。

 友達と本屋にたまるって、もう地味ですけどね。ご主人の人柄が良くて、子供にも気さくに話しかけてくれる。店内をぐるぐる回って本の背表紙を眺めたり、ちょっと立ち読みしたりして、3〜4時間は過ごせましたよ。 
(叔父さんが古本屋さんで、学生時代バイト。卒業すると某書店に就職、1年半勤めた)
一生懸命働きましたよ。先は自分好みのわがままな棚のある、書店を持ちたいという夢がありましたから。……

 しかし、落語が好きすぎて、「死ぬ時は落語家でいたい」と思った。


■ 芸術新潮』10月号 新潮社 1524円+税 
 百恵ちゃん特集?
大特集:篠山紀信「写真力」って、なんだ!?

「写真力」?  
写真の力が漲った写真ね。写された方も、撮った者も、それを見る人々も、唖然とするようなスゲェー写真。特に人の顔の写真ってすごいよね。いろいろなことを思い起こすし、あの頃、あの娘と付き合ってたとか、でもグラビアの娘にずいぶんお世話になったとか(笑)、あの時代貧乏だったけど居間より幸せだったかも……とか。
時空や虚実を超えて、脳裏に強くインプットするイメージの力が写真力ってわけだ。
そんな写真って、どうやったら撮れるかって?
そりゃ大変なんだよ。めったにそんな写真は写らない。だって人知を超えた写真の神様が降りて来なくちゃ、すごい瞬間は立ち現れないんだもの。
その為には、あらゆる努力をする。被写体へのリスペクト、その場の空気を正しく読み、自分の感性を最大限にヒートアップさせる。
すると本当にたまに写真の神様が降臨する。そりゃ、すごいぞ。そこで撮れた一枚は、その人への想いはもちろん、時代や自分史をも思い起こさせる力になってしまうんだから。
 
写真ってスゴイぜ!

篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」開催
http://www.operacity.jp/ag/exh145/
(平野)