週刊 奥の院 8.18

■ 植草甚一コラージュ日記 東京1976』 平凡社ライブラリー 1000円+税
 76〜80年に刊行された植草甚一スクラップ・ブック(全41巻、晶文社)の月報、1〜20号に収録されたもの。単行本は2003年に平凡社より。
 オール手描き、日によってペンを替え、イラストやコラージュも加えて、楽しんでおられる様子。
 日付ごとに【注】があり、【年譜】【索引】も。



 一月八日・木・いい天気だ。十時に目があくよく寝たらしい。コーヒーが残っているので沸かしなおして飲み「太陽」の原稿に取りかかる。十二時にペラ十枚。小泉さん「宝島」ができあがったので来るはずなのが来なかった。「太陽」の続き一枚書いたけれど、またイヤになってくる。
 一月九日・金・いい天気だ。七時に起きて机に向かう。このところ早起きになったので、どうしてもニューヨークのことを思い出してしまう。どうやら原稿は三時半に片ずき(ママ)そうだから四時に出かけよう。梅公(夫人)に西田さんへの言づてを書いておいた。「いまペラ三十枚目ですから四時ごろには出来るでしょう。コミダシは考えておきました。ほかに用はあるでしょうか。書き終わったら散歩に出かけますから」西田さん四時に来たけれど出来ていない。五時まで待ってもらった。
 それから下北沢の幻游社まで行って白鳥全集一冊、睦ちゃん装丁の巣津詩集など八冊。一万円になるのを九千円にしてくれた。それを持って引っ返しながら本郷の大山堂にあるプレアード版ドストエフスキー全集五冊が一万三千円で置いてあるのを思い出し、急にほしくなってきた。
……

 固有名詞など【注】を参照ください。
(平野)