週刊 奥の院 7・8

私、一応、当原稿を前もって2本くらいは準備しているのですよ。でもね、これが入荷したら、先に書かないわけにはいかないじゃーありませんか!


■ 佐藤純子 『仙台文庫別冊 月刊佐藤純子』 
メディアデザイン 発行 本の森 発売
 940円+税
 http://md-sendai.com/sendaibunko/
 グラビア誌を思い浮かべた人、失格、退場。
 自称「ジュンコ堂仙台ロフ子」が勤務する本屋で配付している手書きフリーペーパーをまとめる。でも、パックされていて、なにやら妖しい感じ。ひょっとしたら?

 仙台の書店員・佐藤純子が
日々のくらしや妄想をゆるゆると綴り、
出会った人びとにだけ配っていた
漫画・エッセイ3年分を単行本化。
東日本大震災後のくらしを描いた
『ゆらゆら日記』も収録。

 本のこと、仕事のこと、私生活のさまざまを綴るイラストエッセイ。イラストを描ける人、尊敬。
 しかし、ロフ子、しょっちゅう、酔っ払っている、怪我をする、お医者さんのお世話になる、満腹になる、髪形が変わる、お洒落なのかと思うと着ている服はボーダー柄ばっかり……。
 要するに、あわてもんの食いしん坊の呑み助のグウタラ……、ひょっとして既に「おっさん化」している? 

 読んで楽になります。絵そのままの人柄だと思います。会ったことないけれど、想像できます。
 インタビュアーに伊坂幸太郎、解説は南陀楼綾繁。仙台在住の人気作家と全国のブックイベント仕掛け人。この組み合わせも、文芸書担当者であり、地元でイベント活動するロフ子ならでは。
 解説より。

 彼女は、ツイッターのように、あった出来事をリアルタイムでつぶやくのではなくて、体験をいったん自分の中で濾過させて、ときには妄想でふくらませてから描いている。そのことが判るのが、東日本大震災後にノートに描かれた『ゆらゆら日記』だ。震災当日からの日常を綴っているものだが、描きながら考えたことが反映されていて、震災を経て、書店で働くことが好きなのだと改めて自覚する過程が伝わってくる。ノートの隅に何度も「ボンクラという生き方」という言葉が書きつけられているのが、なんだかとても愛おしい。 

 
 ここで自慢。私、彼女の○○姿をゲットしています。スキャンダル、スクープ。週刊誌に売り込もう。失格、退場どころか、追放!
 そして、告白。この人の名前、高校時代第3番目の初恋の人とおんなじ。「どーでもエエ!」話でした。 
(平野)