週刊 奥の院 5.26

■ 小田嶋隆のコラム道』 ミシマ社 1500円+税
 企画から約5年。なんでー? という感じです。同社HP掲載分が基なのですが、定期連載ではないようで……。
http://www.mishimasha.com/
(はじめに)より。
 

 この五年間がどんなふうに経過したのかについては、本書を読み終わった時点ではじめて、読者に伝わることになっている。海図通りに進む航海は、冒険として失敗だ。その意味で、本書は大成功だった。何を言っているのかわからないかもしれないが、読み終わればわかる。われわれは、思ってもみなかった港に漂着するという望外の成功を勝ち得ている。……
 コラムは、道であって、到達点ではない。
 だから、コラムを制作する者は、方法ではなく、態度を身につけなければならない。
 別の言い方をするのなら、文章を書く人間が自分の携わっている作業に慣れを感じているのだとしたら、彼は、すでにコラムニストを卒業しているということだ。なんとなれば、コラムは、書き手にとって、常に挑戦であるはずのものだからだ。……
 コラムが運んでいるのは「事実」や「研究結果」や「メッセージ」のような「積荷」ではない。わたくしどもは、船そのものを運んでいる。つまるところコラムニストとは、積荷を運ぶために海を渡るのではなく、航海それ自体のために帆を上げる人間たちを指す言葉なのだ。……

 著者は1956年東京赤羽生まれ。食品メーカー営業マンを経てライターに。
 決まった「枠」の中で、人を引きつけ読ませる、職人的文体を持つ、主語をはっきりとする、物事の裏を見る、オチをつける。即興性も不可欠。
 著者自ら、「異端」で常識の「埒外」「アウトオブベース」(基地外)「外道」「異教徒的」「アウトロー」「隔離されて〜」と書く。
 ジャーナリストや作家とはまた別の“覚悟”が必要。
(平野)
5.22(火)東京で「ハルキ文庫感謝会」というのがあって、F店長と文庫担当が出席。お土産をいろいろいただいて来て、それを皆で抽選。結果、「郄田郁賞」、私、当たりました。帝釈天の「御札」と「飲むお守り」、「みをつくし料理帖特製イラストラベル」、直筆礼状付き。「帝釈天」さまを写すのはもったいないことですので、イラストラベルだけご覧にいれます。