週刊 奥の院 4.18

■ 金井美恵子 『ページをめくる指  絵本の魅力』 平凡社ライブラリー 1300円+税 
「母の友」連載(1996.4〜98.3)。2000年河出書房新社刊に加筆。石井桃子インタビュー「雪が降っているのに、それは暖かい世界でした」を掲載。
解説――指の管轄 千野帽子
読者の立場から絵本の魅力を伝える。

……実は、私の気に入った「絵本」を、それが好きで気に入りそうな友人にプレゼントするというと聞こえがいいのですが、送り付ける(傍点)という形で共有したいものなのです。いわば、ある種の「孤独」の「共有」ともいえるかもしれません。……
 そして、ページをめくる指のよろこびを、やはり「絵本」の現役の読者である子供たちに経験してもらいたい、という気持ちにもなります。

 紹介する絵本

片山健『タンゲくん』(福音館書店 
『タンゲ君』の魅力はもちろん、表紙から見返し、扉を含めて、どのページにも必ず中心的な存在として登場する様々なかっこうをしている猫の、いかにも愛らしく図々しいザクザクとした毛深い丸い存在感にある。







マーガレット・ワイズ・ブラウン作 クレメント・ハード絵 『ぼくにげちゃうよ』(ほるぷ出版 
クレメント・ハードの絵とブラウンの文章の見事な呼吸の一致が、ページをめくる指にかぎりないくすぐったいような楽しさを体験させてくれるのである。







ルドウィッヒ・ベーメルマンス 『マドレーヌといぬ』(福音館書店 
それが本当に美しかったのかどうかは別として「美しい時代(ベル・エポック)」と呼ばれる第一次世界大戦前のパリが「マドレーヌ」シリーズの舞台として選ばれていることが、1898年生まれの作者ベーメルマンスの子供時代にそれが重なっているからではあるにしても、たとえば、デュフィの絵を思い出させるのびやかで幸福で楽しい洗練されたタッチの絵とあいまって、独特の〈エレガント〉な雰囲気をこのシリーズに与えている。
……


 解説者が語る。

……(書名)絵本が物体であることを告げてくる。『絵本を読む心』でもなく『挿絵を見る目』でもなくて『ページをめくる指』なのだ。この題名は本文中では〈ページをめくる楽しさ〉〈ページをめくる指のよろこび〉〈ページをめくる指の記憶〉といった形で出てくる。
 絵本を読むことは、ひいては読書一般も、心というよりは目の、またぺージがめくれる音を聞く耳の管轄であり、そして耳と目以前にページをめくる指の管轄だ。……

(平野)
■ 第13回海文堂の古本市 4.27(金)〜5.10(木) 2Fギャラリースペース
 今回は「やまだ書店」と「一栄堂書店」の2店。

 ポスターは「古書波止場」の看板娘ナカちゃん。
■ 神戸文学館企画展 神戸の作家たちと沖縄展 4.28〜8.26 
 http://www.geocities.jp/miyamoto_tadao/

■ 岐阜の“女子の古本屋” 徒然舎、4.20創業1周年。 http://tsurezuresha.net/
 記念品をいただきました。実は、私、落ち込んでいて、GFたちに「ハゲ増し」のお便りを要求したのでした。
  


 四角いケシゴムみたいなのは、チョコ。お店の外観と牛のマーク。店主さまのお言いつけで、アカヘルと1個ずつ。
 青いのはしおり。

■ 全国新聞社ふるさとブックフェア (2)
北海道新聞
 http://shop.hokkaido-np.co.jp/book/
【出品書目】  
北海道の歴史 上・下 各1800円+税  北海道の登山史 1800円+税  
写真で見る札幌の戦跡 1900円+税   はこだて写真帳 1500円+税   
笑説 これが北海道弁だべさ 1200円+税   坂本龍馬 志は北にあり 1600円+税  
なまら楽しい!! 北海道事典 1300円+税   なまら旨い!! 北海道の食材 1400円+税   
 
雪の結晶図鑑 2200円+税  北海道の鉄道廃線跡 2400円+税   
北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路 2500円+税
北の無人駅から 2500円+税   おうちで給食ごはん 1500円+税