週刊 奥の院 3.9
◇ 今週のもっと奥まで〜
■ 『文芸あねもね』 新潮文庫 670円+税
昨年7月電子書籍で発売した同人誌。売り上げを全額復興支援に寄付。今回内容をそのまま「紙の本」にする。本書の印税も全額寄付される。
執筆陣は、彩瀬まる、豊島ミホ、蛭田亜紗子、三日月拓、南綾子、宮木あや子、山内マリコ、山本文緒、柚木麻子、吉川トリコ。R−18文学賞ゆかりの10人。
山内マリコ「アメリカ人とリセエンヌ」より。
地方の大学に、テキサスの姉妹校から交換留学生ブレンダがやってきた。わたしは読書をしていた彼女に話しかけ親友関係になる。ふたりでクラブに行く。ブレンダにボーフレンド(椎名)ができ、デートの誘い。
……ブレンダは寮の小さな部屋がみしみし揺れるほどよろこんだ。そして、日本の下着売り場ではちょっとお目にかかれないようなセクシーランジェリーをつけて、谷間がお尻に見えるほど襟ぐりの開いたサマーニットを着た。
「そんな恰好で行ったら誘ってると思われるんじゃない?」
私はまるで彼女のママみたいに眉をしかめる。
「あたしはシーナの前では、セクシーで大胆っていう、ステレオタイプのガイジンをやるつもりよ。だって彼、そういう子を求めているから」
ブレンダは鏡に向かってマスカラを塗りながら言った。……
「ねえ、誘われたら、するの? それとも抵抗する?」
「わからないわ……あたしに言えるのは、服を脱がされてもいいようにしておかなくちゃいけないってことだけよ。……」
結果報告。そういうふうになったのだけれど、経験乏しいブレンダ、彼を喜ばそうと精一杯の演技で応えるも、彼は引いてしまう。わたしは彼女に日本の男の子が喜ぶ「あえぎ方」を指導。
(平野)
成田一徹『あの店に会いに行く』(マーブルトロン・中央公論新社)、サインが入りました。他の「成田本」もサインあります。お早めに。
いよいよ閉店が迫る「J堂S宿店」。
http://matome.naver.jp/odai/2133116863723467701
ガールフレンドたちエライ! すまん、私、同店の男子を存知あげぬ。
閉店、私も経験してます。最後までラブレター送り続けます。