週刊 奥の院 2.23
■ 伊坂幸太郎 『仙台ぐらし』 荒蝦夷 1300円+税
『仙台学』連載エッセイ他15篇、プラス書き下ろし短篇小説「ブックモビール」収録。
連載エッセイは、当初「エッセイに見せかけた作り話」のつもりが、ほとんど実話に基づくものになったそう。
大震災後に発表した文章は、やはり重い。けれど、希望を持つ。
(余震が続くなか)
朝が来て、子供に、「また停電だよ。テレビ観られなくなっちゃったよ」と伝えると、「何だ、また、はじめからやり直しかよー」とのんきに言うので、少し笑った。
はじめからやり直し。確かにその通りかもしれない。が、それも仕方がない。何度、巣を壊されても、粛々と巣を作り直す蟻のことを思い浮かべる。僕たちだって、何度も何度もやり直すほかない。
「ブックモビール」は、被災地をまわる移動図書館で働く二人の男の話。訳あり。それぞれがここに来るまでのドラマがあって、別立てで悪漢小説や恋愛小説になりそうだ。ファンタジーの要素もあり、この小説から、読者はいろんな想像を展開できることでしょう。ゆうか姫ではないけれど「たのし〜ね〜」。
私、「伊坂作品」の読者ではないです。すみません、「死神」しか読んでいません。
(平野)
福島県いわき市、鹿島ブックセンターの鈴木さんの文章。
NR出版会HP「書店員の仕事 特別編」
http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/top.html
この勁さ!
昨年ガールフレンドになってくれました。