週刊 奥の院 2.5

■ 田中美穂 『わたしの小さな古本屋  倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』洋泉社 1400円+税 
 倉敷生まれ、1994年開業。2000年に現在の場所に移転。
 http://homepage3.nifty.com/mushi-b/
 著書『苔とあるく』(WAVE出版)――ほんまに「苔」の本。
 現在全国で“女子の古本屋さん”が大活躍ですが、その先駆者的存在。

……一〇坪にみたない店内に、文学、社会、思想、心理、宗教、民俗学、古代史、自然科学、美術、音楽、料理、プロレス、マンガ、絵本などが並べてあります。とくに思い入れのある分野は文学と自然科学。最近では、行き来のある人や出版社から出されている新刊書、そしてCDやオリジナルグッズなども置くようになりました。
 ただ、仕入れのほとんどがお客さんからの買い取りなので、基本的には「それとなく集まってきた」「いつの間にかそうなった」ようなラインナップなのですが、いまあらためて眺めてみると「ああ、そういえば、古本屋をはじめたばかりのころ、こんな店がやりたかったんだったな」そして、「思っていた以上におもしろい店になったような気がする」と我ながら驚いています。……

 いいなあ、と思います。楽しそうだなあ、と感じ取れます。
 さて店名、皆、「蟲」に注目しますよね。
 実は、彼女にとっては「文庫」のほうが重要だったそうで、「蟲」は字面が気に入って当てはめたそうです。
(平野)