月曜朝礼 新刊紹介
【文芸】 クマキ
■ 大崎梢 『プリティが多すぎる』 文藝春秋 1400円+税
元書店員。今回は編集者が主人公のお仕事成長小説。
大手出版社編集者・新見26歳。文芸編集希望なのだが、配属されたのはローティーン向け月刊誌。
「ピピン編集部」
はっきり言おう。名門にして大手の千石社がこんな雑誌を出していたなんてすっかり失念していた。そして、なぜだ。カラーがちがいすぎる。浮くどころかはみ出しているじゃないか。やるならもっとよその出版社でやればいい。……
(ポスター)
「女の子はPが好き」
ショッキングピンクの大文字のしたに、四人の女の子が思い思いのポーズを取り、リボンのついたボードを持っている。それぞれ「Pretty」「Pop」「Pure」「Pipin」とある。
これが、この雑誌のキャッチフレーズなのだ。
目次も「P〜」
1 PING 文芸誌某のおれが少女向け新雑誌編集部!?
2 PRIDE 表は華やかな少女も出るたち。裏の顔は?
3 POLICY どんな世界もプロの地道な仕事で成立してるんだ。
4 PARTY 憧れの入り口、モデルオーディションの舞台裏。
5 PINCH トップモデルの道がおれのミスで閉ざされる!?
6 PRESENT 夢叶うか挫折か、未来はだれにもわからない。
【文庫】
■ 東野圭吾 『歪笑小説』 集英社文庫 619円+税
東野の“裏ライフワーク”、「笑」シリーズ。今回はいきなり文庫。出版業界の内幕を描くドラマの数々。
伝説の編集者、自作ドラマ化に舞い上がる作家、大物作家とのゴルフ、美女編集者、賞……、編集者・作家が俳優、読者、書店、家族を巻き込んで起こす事件の数々。
「職業、小説家」
娘の交際相手はまだ売れてはない小説家。父は小説とは無縁の会社員、娘の将来を思うと心配だ。会社の女子にリサーチしてみるが知らない作家という。娘が彼を家に連れてきた。食ってはいけるようだ。デビュー作を読んでみるが挫折。友人に相談すると、別れさせろ、と。彼がある賞の候補になる。こんどは読了、面白かった。友人と居酒屋で話していると、知らない男が話しかける。自分も読んだ、と。
「おたく、それ、本屋で買ったの? よく買うね、そんなもの」
そやつは図書館で借りるか、新古書店。
父は怒る。
「みんながみんなあなたのようなことをしたら、誰も小説では食べてはいけなくなる」
そいつにビールをぶっかけた。……
パチパチ!
■ 音楽と声 ギャラリー島田・火曜サロン
破片のひびき 2.7(火) 19:00〜20:30
入場料:1500円 ギャラリー島田 078−262−8058
港大尋(ピアノ 他)
季村敏夫(ポエトリーディング)
災厄、それは何の反響か、
ふりしきる、
死者の、記憶の、破片、
◇ お知らせ
アカヘル、神戸新聞1.22「週刊まなび お仕事」に登場。
Web版で読めるようになりましたらお知らせします。
(平野)