月曜朝礼 新刊紹介

【雑誌】&【芸能】 アカヘル
■ 芸術新潮』12月号 特集 高峰秀子の旅と本棚 新潮社 1333円+税
 没後1周年、秘蔵写真満載。http://www.shinchosha.co.jp/geishin/newest/
グラフ、年譜、旅篇「二人三脚カタツムリ旅行」、本棚篇「愛した本と偉大なゴジラたち」 ……
 5歳のときから“女優”。働きづめだった。
 

 私が“国語辞典”を引くことを知ったのは、主人と結婚した三十歳の時だった。私は三十歳になるまで“辞典”を持つということすら知らなかったのである。
(『いいもの見つけた』)

 
 合わせて新潮社、復刊。
■ 『巴里ひとりある記』 1400円+税 初のエッセイ集。
■ 『まいまいつぶろ』 1400円+税 映画、結婚、そして、生い立ち……。




■ 『アルテス』 創刊号 [3.11と音楽] アルテスパブリッシング 1300円+税
 

 音楽はなにかの役に立つのか? 音楽家にはなにかできるのか? 二〇一一年三月一一日以降、そんな焦りにも近い問いを抱え込んだ人は多かったはずだ。あの大震災と続く原子力発電所の事故は、さまざまなかたちで音楽に携わる――作る、歌う、届ける、聴く――多くの人にとって、自分と音楽の関わり方を改めて考え直させられる大きな出来事だった。だがそもそもそんな疑問を持つこと自体に意味はあるのか? 無意味なのだとしたら、音楽についてどういう問いを立て、なにを問うべきなのか? ……

 巻頭エッセイ 片山杜秀 3.11と12.8
 シンポジウム 〈3.11芸術の運命〉 いま、「癒し」を超える芸術は可能か
 インタビュー 坂本龍一ピーター・バラカン高橋祐治大友良英
 ……



■ 『ぽかん』 02号 特集 私の大阪地図 ぽかん編集部(ちょうちょぼっこ 1000円(税込)
『浪華悲歌』とモダン地下鉄道  港区、此花区、西区散策  わたしの大阪地図『団地編』  大阪にこんな詩人が在った――冨士原清一のこと  大阪の古本屋になって ……

 釜ヶ崎に住んだアナキスト詩人寺島珠雄の『私の大阪地図』に尊敬をこめて。巻頭には小野十三郎の随筆を引く。
「かわいい表紙なのに、中味は濃い」(担当者談)
ちょうちょぼっこは大阪の貸本喫茶。




【文芸】&【新書】 クマキ
■ 『徳永政二フォト句集1 カーブ』 あざみエージェント 1200円+税
 直仕入れ。著者は、1946年香川県生まれ。滋賀県守山市在住。「川柳びわこ」編集、京都朝日カルチャー講師。川柳で数々受賞。写真は藤田めぐみ、東京在住、川柳もたしなむ。
 やわらかいタオルひとりというものよ
 光らせてみよう くよくよしてみよう
 わかりません好きな言葉のひとつです
 そんなこと言っても今は泥の中
 鳴く虫の鳴かなくなってからの土
 悲しみはつながっているカーブする
 石けんを握るさみしくなんかない

■ 諏訪清二 『高校生、災害と向き合う  舞子高等学校環境防災科の10年』 岩波ジュニア新書 820円+税
 同校は2002年、阪神・淡路大震災の教訓に学ぶ「新たな防災教育」の拠点として環境防災科を設置。著者はその科長。生徒たちと今回の大震災でも被災地に入っている。地元で募金活動も。
 本書では、今回のボランティア活動の報告と同科の防災教育を紹介する。

……被災地を訪れての直接支援だけがボランティア活動ではないということです。被災地を訪れるにはさまざまな条件がそろわなければなりません。仕事、学校、家族といった日常の関係をストップさせて被災地に入ります。移動と宿泊の費用も発生します。だれもが簡単に被災地に入れるわけではないのです。むしろ、被災地に入ることができる人間は少数であり、条件的に恵まれているともいえます。ですから、圧倒的多数派である被災地を訪れることができない人が、募金活動を組織したり、あるいは、コンビニの募金箱にお金を入れたりすることも、ボランティアなのです。

 現地での最初の作業は小中学校の教室清掃。堆積した大小のごみを一つずつ手作業で取り除き、泥を洗う。夜のミーティングで、生徒たちが「明日はもっと被災程度のひどいところに行く予定なので、もっとがんばりたい」と意気込む。
 著者は問う。
「被災程度の重いところほどがんばったらいいのか?」
「被災の軽い場所は予行演習か?」
「被災の軽重でボランティアの気持ちに強弱をつけていいのか?」
 ボランテイアはヒーローではない、いつも全力で取り組むという気持ちを大切に、と。
 翌日の学校は、生徒の安否確認に追われてボランティアを受け入れる余裕がないと、中止。この時は一日だけの活動だった。
「あくまでも受け入れる側の条件や予定が最優先されなければならない」
 舞子高校の活動は長期にわたっている。

(平野)
 えらいことです。『ほんまに』、札幌「古本とビール アダノンキ」さんから注文、バックナンバーも。ありがとうございます。ついに、北の大地に上陸。http://adanonki.exblog.jp/i2/ 女子の古本屋さん。
12月店外催し。
1〜2日 愛媛県上島町 特産品販売
1〜4日 古書波止場オープン1周年記念 「古本百円均一セール」