週刊 奥の院 10.14

◇ 今週のもっと奥まで〜
■ 大塚ひかり 『愛とまぐはひの古事記』 ちくま文庫 780円+税
 38歳の時、歯科治療を引き金に不眠不食。精神科に通っても治らず。歯科大学病院で「歯科心身症」の治療。ひと月ほどで元気に。治療中は慣れ親しんできた古典を読むのが辛かった。

源氏物語』の女たちはカラダを使わず頭ばかり使っているからストレスに弱くなって、言いたいこともいえないから心を病んで、物の怪になったり取り憑かれたり拒食症になったり胸の病になる。
 心身症てんこ盛りである。

 そんなときに唯一ラクに読めたのが『記紀』、とくに『古事記』。

……明らかに大ウソと分かる記述が満載だ。そうやって事実のふりをしてウソを語る歴史物語のほうが、ウソのふりして事実を語る『源氏物語』よりも、そのときの私の身心にはラクだった。
 性交で国を生み出し、激しく怒り泣き笑う神話の神と人は、満身創痍気分の私を、癒やしてくれた。

 そうか、心が疲れたら、ポルノ! なんだ。それで私はストレスがないんだ!! バカは悩まぬ!!!
 大塚さんは、『古事記』を現代語訳し解説しながら、自分の身心の状態や周囲の人間関係まで語っている。たとえば「4 女から誘うエロい歌」の章。
 

 春から夏にかけて歯科心身症が再発するなど、『古事記』の連載を初めてからろくなことがない(2003年10月当時)。今回は、大国主神だから、妻の力で出世して逆玉人生、ラッキー、みたいなことを書こうと考えていたら、母が脳出血で倒れて左半身が利かなくなってしまった。……同居の父はすぐに救急車を呼ばなかった。……

 その父は大国主が似ているところがある……話が進んでいくが、そこは省略。
 ここから、「奥まで〜」に。
 大国主がヌナカハ姫と不倫、正妻スセリ姫が嫉妬。大国主は家出を決意するが、未練。スセリ姫すかさず歌う。

「たくさんの矛を持つ神様、ねえ私のオオクニヌシ。あなたは男でいらっしゃるから、巡る島の岬々、廻る磯の岬のどこにでも、若い妻をもてるでしょうが、私はね、女ですから、あなた以外に男はいない。あなた以外に夫はいない。綾織りの帳のふわりと揺れる下で、あわ雪のようにやわらかなみずみずしい胸を、楮の綱のように真っ白な腕を、そっと撫で、撫で可愛がり、玉のように美しい手を交わし、絡め合って、足を伸ばしておやすみなさいませ。おいしいお酒を召されませ」
 こう歌うやすぐに杯を交わして誓いを結び、互いのうなじに手を回しあい、今に至るまで鎮座なさっているのです。これを“神語”(かむがたり)…語り部の伝える神の物語…といいます。

(平野)
 本日より開催。おかんパワーが【海】に集結! 
 紹介映像あり。http://www.youtube.com/watch?v=5BbIsHZSoCg
神戸下町おかんアート展 
10.14(金)〜16(日) 11:00−18:30 2F ギャラリースペース 入場無料 手作り教室参加の費用 500円
手作り教室 予定 各教室とも5名限定 要予約 予約:078−671−1939 下町レトロに首っ丈の会事務局 
14日(金)

11:30〜 村井さん夫妻 牛乳パックと古切手を使った小箱

12:30〜 水上さん 小さな折り紙の傘づくり

13:30〜 小林さん 牛乳パックでつくる花瓶

14:30〜 香坂さん おしぼりタオルで犬を作っちゃおう

15:30〜 青木さん 布で作る“おいなりサイズ”の小物入れ

16:30〜 tot−zien(トット・シーズン)さん サボテンの寄せ植え(小4以下は保護者同伴)

 15日(土)

11:30〜 絵本作家ふじたなおこさん 牛乳パックでつくるパペット人形

12:30〜 針金作家uraimayumiさん ゆらゆら揺れる手のり鳩をつくろう

13:30〜 秋本さん 折り紙でつくる立体仕掛けおもちゃ

14:30〜 余舛(よます)さん アクリルたわしづくり

15:30〜 青木さん 布でつくるチューリップ

16:30〜 写真家hanoA(はのあ)さん フォトボードを作ろう

 16日(日)

11:30〜 香坂さん おしぼりタオルで犬を作っちゃおう 

12:30〜 淡路屋・伊藤さん 簡単トトロ手ぶくろ人形

13:30〜 香坂さん ラメ入りしじみストラップづくり

14:30〜 彫々葉・印石・彫書 寺本さん 熨斗袋教室

16:30〜 作品大自慢&大交流会 「おかんアートサミット」 参加自由