週刊 奥の院 8.28
■ 道又力(みちまた・つとむ)編
『12の贈り物 東日本大震災支援 岩手県在住作家自選短編集』 荒蝦夷 2000円+税
岩手県在住12名の作家が自作を提供、印税は義捐金に。
長尾宇迦(ながお・うか)『野ざらしの唄』 別冊小説宝石(光文社)1972年5月号
1926年中国大連生まれ。元・岩手県公立高校教師。同人誌『東北文脈』発刊。『幽霊記』で第98回直木賞候補。八幡市在住。
及川和男『木島先生』 葦牙4号(みずち書房)85年
1933年東京生まれ。戦争中に岩手に疎開、岩手銀行勤務後、作家に。北の児童文学賞、多喜二・百合子賞など受賞。一関市在住。
柏葉幸子『桃の花が咲く』 同人誌「ももたろう」20号 2004年
花巻市出身。講談社児童文学新人賞、産経児童出版文化賞など。盛岡市在住。
中津文彦『お菊の皿』 オール讀物(文藝春秋)1997年5月号
1941年釜石市生まれ。元・岩手日報記者。『黄金流砂』江戸川乱歩賞。盛岡市在住。
高橋克彦『愛の記憶』 オール讀物 98年5月号
47年釜石市生まれ。『写楽殺人事件』乱歩賞、『緋い記憶』直木賞など。盛岡在住。
斎藤純『七番目の方角』 週刊小説(実業の日本社)98年10.16号
57年盛岡生まれ・在住。『ル・ジタン』推理作家協会賞。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、『街もりおか』編集長。
松田十刻(まつだ・じゅっこく) 『パラオ残照』 北の文学43号(岩手日報社)01年
55年 盛岡生まれ・在住。映画館勤務、新聞記者、雑誌編集者から創作活動。
北上秋彦『現場痕』 小説non(祥伝社)95年9月号
50年軽米町生まれ・在住。生損保代理店経営のかたわら作家活動。本作品はデビュー作。
平谷美樹『黄色いライスカレー』 盛岡学第2号(荒蝦夷)06年
60年久慈市生まれ。2000年作家デビュー。同年『エリ・エリ』小松左京賞。
菊池幸見(きくち・ゆきみ) 『黄金熊の里』 小説non 01年12月号
60年遠野市生まれ、岩手放送アナウンス部部長。本作品、黄金短編小説賞。盛岡市在住。
大村友貴美『キサブロー、帰る』 デジタル野性時代7号(角川書店)2011年
65年釜石市生まれ。『首挽村の殺人』横溝正史賞。滝沢村在住。
石野晶(いしの・あきら)『ツツジとドクロ』 北の文学57号 08年
78年九戸村生まれ・在住。小学館文庫小説賞、ファンタジーノベル大賞優秀賞など。
道又力 61年遠野市生まれ盛岡市在住、脚本家。
(ボランティアで絵本の読み聞かせをして、子どもたちの反応に感動)
物語の世界で遊ぶというのは、想像上の経験を通して、生きる指針を得ることでもある。いまさらながら物語には人の内面に深く入り込み、もつれた感情を解きほぐす力があるのだと分かった。無力感から書く意欲を失っていた岩手の作家たちも、今は執筆を再開している。……
岩手ゆかりの作家を紹介し、本書収録作品・作家を解説して、そのまま岩手文学史になっている。
本書で、岩手在住作家、ベテランから新鋭まで勢揃い。
(平野)雑誌『芸術新潮』9月号にキティちゃん登場。特集:ニッポンの「かわいい」 はにわからハローキティまで