週刊 奥の院 8.17

■ マーシャ・ブラウン 文と写真  谷川俊太郎 訳
『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』 港の人
 1500円+税 四六判変型 オールカラー 112ページ
 1979年佑学社から出版、長く絶版になっていた〈幻の写真絵本〉復刻。3冊を1冊にまとめる。マーシャは1918年生まれ、アメリカの絵本作家。三びきのやぎのがらがらどん』(福音館)で有名。
http://d.hatena.ne.jp/miasiro/20110813/p1












 

 目はみえる  うまれたときから  でも みることは――  みえる こととは ちがう
 みること  それは 目で あるくこと  あたらしい せかいへと。
 ゆっくり あるこう  こころを  いろんなものに くすぐらせながら。
……
 かたちは かたりかける  ことばよりも すばやく  かたちは おしえてくれる、  なにが おこっているか  どんな かんじか、  だれでも かたちのことばを  ならうことができる。
……
 さわることは  せかいを かんじること。  さわることは  せかいが かんじること。


 谷川さんの(あとがき)より。
 

……マーシャさんはふつう私たちが美しいと感じないものを、たくさん写真に撮っています。でもそれらの写真を見つめていると、はじめは美しく見えなかったものが、だんだん美しく見えてきたりはしませんか?  何かをじっと見つめること、それは存在に心がより深く入りこむことです。

 1枚の葉っぱ、1匹の虫、空の雲……、身近な自然の美しさを再認識。

(平野)全国書店新聞「うみふみ書店日記」更新。
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=8575