週刊 奥の院7・30

■ 田中康弘 『女猟師  わたしが猟師になったワケ』 耷出版社 1500円+税
 先ず、謝っておきます。本書関係者の皆様、ごめんなさい。怒らんといてください。少々(かなり)デキの悪いオツムのおっさんのボケ発言です。
 私、変なんです。この本の文字、「女」と「猟」と「師」を見たとたん、感じちゃったんです。○○○○文庫の読みすぎです。
 本書、女性猟師たち5人(30代〜60代)を紹介する。農家の奥さん、杣人でヨガの先生、料理屋の女将、漁師で猟師、プロ猟師。
 伝統的な男の世界。なぜ彼女たちは銃を担いで山に入り、動物を撃ち、運び、捌き、血と脂にまみれる現場に立つのか?
  

 彼女たちは花を愛し、命を慈しみ、自然を敬い、そして命を奪う。一見矛盾するように思えるかもしれない。しかし、これこそが生きるということではないだろうか。他者の命を頂くことで次の命に繋がる。命が連鎖していればこそ世界は保たれる。自然の成り行きであり、そこに感情論は持ち込むべきでない。

 著者はカメラマン、地域・食・自然環境を深く考える。

■ 『日本の音』 平凡社 コロナ・ブックス 1800円+税
「自然の音」 雨 雷鳴 雪 滝 波 風……
「鳥獣の音」 鹿 鳥 蛙 虫……
「歴史と生活の音」 闇の声 砧 機 妙音(言うに言われぬ美しい音声や音楽) 楽器 歌声 囁き 衣擦れ……
「年中行事の音」 花火 盆踊り 祭り……

 私たちの先祖の感性は、さまざまな自然の音や状態、人間の動作・たたずまいを言葉や文字や絵に置き換えることができた。「雨」はざあざあと降るだけではない。聞き分け、見分け、感じ、表現してきた。「琴線に触れる」という言葉の風景がある。
 「衣擦れ」に竹内栖鳳の「絵になる最初」が。



(平野)下町レトロに首っ丈の会 『おかんアート』販売促進ディスプレイできあがりました。セーラ編集長(くとうてん)、忙しいのにようやってくださいました。でもね、みんなきつく縛られている。  
http://lockerz.com/s/124326130
ワテらも忙しいのに、29日はまた呑み会。野獣系古本おじさんと、さわやかニューウェイブ女子の古本屋が激突。文句なし「女子の勝ちー」。