週刊 奥の院 6.23


■ 丹波古文書の会編 
『阪東直三郎日記 篠山士族二十才の記録』 ロードス書房
 
1500円+税 B5版 
 本文、カナまじり漢文で、私、読解不能
 「刊行にあたって」より。
 

 篠山藩士阪東直三郎の、明治四年から七年までの日記を公開することになった。
……
 譜代六万石篠山藩は幕府の近畿治安の要として、殊に幕末期から廃藩までの激動期京都を守護することになった。その情報基地であった京都留守居役が、直三郎の養父阪東篤之輔である。幕府の瓦解と解体とを冷静に観察していた公人養父とは異なり、直三郎の日記では、藩と阪東家と同僚・親戚藩士の将来への運命が不透明で、自己の運命の不安とやや同化してしまったように煩悶してしまう。自らの武士という立脚地が永遠に失われていくのか、一時的な変化で終るのか。それに伴って、今後自分達は、何を生活の粮にして生きていくのか、という課題が、日々の無為の生活に突きつけられてくる。
 三年余の日記中、日本史に直接関わる記述としては、明治四年五月から十一月まで廃藩置県の混乱予測警備により、東京へ「軍事出張」に出るところである。
……

 直三郎【1852〜1909年(嘉永5〜明治42)】、東京から戻ると、いわゆる鬱状態に。神戸で診察、療養。日記はこのあたりまで。海岸通の旅館や両替商に勤める。のち、明治13年頃自由民権運動に参加。貿易商も(正確な年不明)。さらに、明治23年頃東京で木綿工場を開き、「阪東式木綿調帯」(工業用伝動ベルト)で特許。明治39年「阪東式調帯合資会社」を神戸で創業。現在の「バンドー化学」の基礎を築いた。工場で機械点検中事故死。
 発行元「ロードス書房」は、郷土史の品揃えで定評のある神戸の古書店丹波篠山が本拠。当店、いろいろとお世話になっています。
(平野)
「『女子の古本屋』による女子の古本市」、着々と準備進行中。今日中にできるか? いよいよ明日から。私の頭ン中は“乙女チック・ファンタジーワールド”。きっと本の“香り”もちがうはず!楽しみ、楽しみ。