今週の海文堂朝礼新刊紹介

◇文芸クマキ

『黒木あるじのみちのく異界遺産 やまがた篇 DVD(65分)』 荒蝦夷 1905円+税
「パワースポットを超える、まことの聖地。
 いにしえより受け継いだ山形の遺産を、あなたに。」
山形市 行き別れ地蔵」
鶴岡市 六十里越街道と即身仏
「朝日町 ハツ沼知久の七不思議」
遊佐町 アマハゲ」
高畠町 犬の宮・猫の宮」
天童市 ムサカリ絵馬」
新庄市 七所明神めぐり」
 黒田さんは怪談作家、映像作家。
 コメンテーター、東雅夫赤坂憲雄
荒蝦夷」は仙台の出版社。こちらを http://homepage2.nifty.com/araemishi/

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樋口毅宏 『雑司ヶ谷 R.I.P.』 新潮社 1600円+税
 ハードボイルド&バイオレンス、らしい。クマキが新潮社の担当に尋ねたところ「タランティーノみたい」の答え。クマキの認識は「渇いたバイオレンス」。
『さらば雑司ヶ谷』(同社)に続く第2弾、で全5冊予定。最近では『民宿雪国』(祥伝社)が好調。
 淑女のクマキがこれを紹介するのは、著者のお願いが掲載されているから。

公立図書館のみなさまへ
この本は、著作者の希望により二〇一一年八月二五日まで貸し出しを猶予していただくようお願い申し上げます。

(工事中のお詫び人のイラストも)

 巻末には・・・・・・、

この作品はフィクションであり、実在のいかなる組織・個人とも一切関わりのないことを付記致します。文中に表記した以外にも、いかの作品と人物へのオマージュ、霊感、意匠、影響、引用、パスティーシュ、パクリで意図的に構成している箇所があります。
ゴッドファーザー PARTⅡ』にリスペクトを。そして、『グラップラー刃牙』にも。

 他にも人物・作品を列挙して、謝辞。3.8「朝日新聞」に記事あり。
◇芸能赤ヘル

西村多美子『実存 1968−69 状況劇場』 グラフィカ編集室 1900円+税 
唐十郎状況劇場」の舞台写真。取り扱い店、まだ少ないようです。

 学生時代(67−69年)にアングラ劇団「状況劇場」の写真を撮っていた。液温35度くらいの高温現像で真っ黒なネガを作り、1時間近くの露光時間でプリントをする。実験的というより、無茶苦茶な暗室作業をして、舞台写真を越えた映像表現を求めていた。卒業制作展以来、ネガはたな晒しになっていたが、一昨年300枚近くをプリントしてみた。タイムスリップしたように、新宿ピットインでの夜中12時30分開演だった「続ジョン・シルバー」や、トラックの荷台を舞台にしたトラック劇場での「腰巻お仙」などがよみがえってきた。芝居がはねた後、唐十郎が「死人箱にゃ74人 それからラムが一ビンと よいこらさあ よいこらさあ」とギター片手に朗々と歌う。客はトリスウイスキーを舐めながら始発電車を待つ。暗い海に漂いだす船のイメージを自分に重ねていたのを思い出した。

唐十郎インタビュー他、麿赤兒四谷シモン大久保鷹、金守珍、大塚聡、堀切直人が寄稿。

http://www.3rddg.com/exhibition/2011.3.5/nishimura_tamiko.html
(平野)