週刊 奥の院 第91号+1

■雑誌から

『国文学 解釈と鑑賞』 2月号 特集 「井上ひさしと世界」 至文堂編集 ぎょうせい発行 1619円+税
井上ひさしの宇宙 新国立劇場 世界の劇場 小説と物語と 井上ひさしの明日 井上ひさしデータファイル

井上ひさしは「文学」を一羽の鳥にたとえていた。頭が詩、胴体が芝居、両翼が小説(エンタテインメントと純文学と)、尻尾は舵をとる批評である、と。井上ひさしこそまさにそれらすべてを体した一羽の鳥だった。大きく羽ばたく不死鳥だった。


『文化往来 美の風』 Vol.7  「美の風」編集室発行(姫路市・森画廊) 1000円+税
特集 「画家の肖像」
ひそかな半身――川上澄生  池内紀
鴨居玲と神戸        芝本政宣
水墨画への旅――福田眉仙  森崎秋雄

(連載) 文学者と美術 絵画と音楽 絵画修復雑記 絵画と材料
表紙の絵は、鴨居玲「婦人像」(1982年)。

「ひそかな半身」から。
 川上澄生は、宇都宮中学で英語教師。野球部部長もつとめ、甲子園出場(1924年)。このころ「鬼ごっこ」という恋歌を版画にしている。
「鬼となりてあの人を追ひ あのひとのみを追ひ 鬼ごとなれば鬼にてあれば あのひとを抱きすくめん」
 さらに赤裸々な詩もある。
(平野)