海会、古書波止場、週刊 奥の院 第83号+1の3






「海会」vol.89でき。HPも更新しました。
「古書波止場」看板。

週刊 奥の院
田中雅一 『癒しとイヤラシ エロスの文化人類学』 筑摩書房 双書Zero 1600円+税 
 1955年生まれ、人類学者、ジェンダーセクシュアリティ研究。
 人類学では、フィールドワークを通して異文化を研究、比較する。本書は、未開社会などの異文化ではなく、「日本人の性」を主として取り上げる。
 

現代日本社会における性という「異文化世界」を、私たちがどう描いているのか、そして、そのような描き方にどんな問題が潜んでいるのか、ということをたえず問うように努めました。私たちが日常自覚することなく抱いている性についての考え方を意識することが、性を考えるうえでなにより重要だと考えるからです。

第一部 性のエスノグラフィー 第1章 パンパンたちの物語 第2章 変貌する女たち ……占領期の米兵相手の売春、AV女優など性産業で働く女性たち。
第二部 エロスと反エロスの攻防 第3章女性の性的快楽 第4章 男性の性的快楽 ……性的快楽に関わる身体・諸行為(性器、自慰、オーガズムなど)に関する文献・映像。
第三部 癒しとイヤラシのポルノグラフィー 第5章 「わたしヘンタイです!」 第6章 胎内宇宙へ 補論1 声のエロス ……代々木忠監督作品についての革新性。
第四部 グローバル・エロスを求めて 第7章 女体盛り論争 補論2 性の祭り 第8章 ワイルド・サイドを歩け! 補論3 エロスの人類学とは? ……シアトルで起こった女体盛りをめぐる論争など。 

 書名の「イヤラシ」とは?
 性と癒し……、人間にとって性は重要な活動の一つだが、「性」という言葉で表現される現象はさまざま。フーゾクやポルノなど、男性が女性を性的欲望の対象としてしか捉えていないと避難されるが、「性」は複雑な現象だ。「イヤラシ=癒し」とは主張しないが、そのような要素も含まれているという認識。
 私、スケベ本を紹介していて、常々思っていますです。
(平野)ふたり続けて書いてくれました。こうあるべきだと思うんやが?