■ 『ほんまに vol.11』 くとうてん+海文堂書店  500円(税込み)
『ほんまに』の11号が刊行されました。発売が遅れていて心配してくださった方もおられたかと思います。このまま「いつも遅れる雑誌」や「不定期刊行物」になってしまわないことを祈ります。
内容については海文堂ホームページに詳しく載っています。近いうちにブログの「週刊 奥の院」にも内輪話が書かれるでしょうし、私は読者として新刊本の紹介、ということで。
今号の目玉はなんと言っても巻頭特集、「非カリスマ書店員座談会 10年後も本屋でメシが食えるのか」でしょう。神戸の6人の若い書店員が、本屋の近い将来をテーマに、本屋を取り巻く環境や現状への不満、あるべき本屋の形など、忌憚のない意見を語り合います。
いやほんま、まったくその通りなんですけどねえ。耳が痛いを通り越して、胸突き刺される思いで読み終えました。担当持ってる書店員ならきっとわが身を省みずに読めないでしょう。環境が急激に変化しているのに、多くの非カリスマ非若手書店員はうまく適応できず、昔と同じ方法で仕事をこなしているというのが原因なんでしょうね、と言うか、私がそうだということですが…。本屋に係わるすべての(少なくとも10年後も本屋にいそうな)皆さんに、一緒に考えていただきたい座談会になっています。
他には、好感度抜群で女性にも人気のトンカ書店さんの連載が始まったり、他書店(喜久屋書店さん)のスタッフが寄稿してくださったりと、視野が広がって、ページ数だけじゃなくて読み応えも増した気がします。(晶文社の特集はもうちょっとたくさん読みたかった!)
今までの『ほんまに』の中で屈指の出来ばえではないかと、一読者として思うのでありました。
(熊木)