kaibundo2009-10-08

■『どうして書くの? 穂村弘対談集』  穂村弘著/筑摩書房  1500円+税
歌人穂村弘と、ことばに携わる人たちが「書くこと」について語り合った対談集。
一字一句完全主義でありたい穂村さんとことばのプロフェッショナル同士の対談は、どれも心地良い緊張感がただよって、作品ではうかがえない一面も見せてくれます。書く上でのこだわりはもちろんのこと、文学の創世記から未来に至るまでを視野に入れた話題は高度で部外者には難しい部分もあるけれど、作品としてものを書く人には絶対に参考になるはず。対談者である高橋源一郎長嶋有、中島たい子、一青窈竹西寛子山崎ナオコーラ川上弘美ら7人のみなさんが、世界音痴ならではの質問をする穂村さんに対して、どんな風に答えるか、も見ものです。
穂村弘は、昨年『短歌の友人』で伊藤整文学賞受賞。現実と自分とのズレを日常語を使って短歌を詠む人というイメージがあるけれど、表現に対してはすごく硬派な人だったんですね。
9月のある日、海文堂スタッフ垂水在住の某が、舞子周辺で穂村さんをお見かけしたそう。感想は「男前だった」そうです。

(熊木)