雑記　毎日ボーっと……。

　しばらく更新できていないのは、誰のせい？　私？
　ネタ切れもあるが、担当原稿が進まず息苦しい。よって、ブログまで手が回らぬ。
　それでも、イチビリの私が書かねばなりませぬ。私のノルマ、月５回です。
　ほんとはボーっとしている毎日、それでも何となく、いい本に出会ったようです。
　鈴木しづ子『夏みかん酢つぱし　いまさら純潔など』　1400円＋税
　『鈴木しづ子　伝説の女性俳人を追って』　1500円＋税
　いずれも河出書房新社。
　俳句の世界では伝説の人。私生活を赤裸々に詠んで「娼婦俳人」と呼ぶ人もいる。戦争で崩れてしまった悲しい人生がある。52年第二句集刊行後、一切の交渉を断って、いまだ消息不明。彼女については、正津勉さんの解説を読んでいただこう。
　女学生時代の句。　ここに少女期太宰文学神とあほぎ
　生涯の師と出会った頃。　春さむく掌もていたはる頬のこけ
　恋。　　夫ならぬひとによりそふ青嵐
　恋人召集、戦火。　東京と生死をちかふ盛夏かな
　第一句集。　　春雷はあめにかはれり夜の対坐
　母の死、恋人の戦死公報、恋愛、社交ダンス、別の男性と結婚、破局、東京を離れ岐阜でダンサー、米軍兵士との恋、朝鮮戦争、恋人廃人・急死……。その間も師には句を送り続ける。傷心を励まそうと師は第二句集を刊行。神田で出版記念会。大盛況でのしづ子の挨拶は「それでは皆さん、ごきげんよう。そして、さようなら」。
師のもとに最後の句。　　風鈴や枕に伏してしくしく涕く
（平野）
　