kaibundo2009-08-12

■『左京区七夕通東入ル』 瀧羽麻子著/小学館 1600円+税
東が早稲田とすれば、西は京大ではないかと思う今日この頃。あ、これは小説家の出身大学のことなんです。早稲田は村上春樹氏はじめ大勢作家を輩出しているのですが、京大推理研出身以外でも最近の京大は負けてはいません。森見氏、万城目氏、そしてこの瀧羽麻子さんも2004年卒業生なのです。
だからこのタイトル。恋愛小説というジャンルはなんだか気恥ずかしくて躊躇してしまうけれど、京都が舞台の恋する大学生のお話ならば読んでみようかと。そう、京都って大学生には聖地だし、大学生でなくても特別な空間という感じがしますよね。(私だけかな)
4回生で洋服が大好きな花ちゃんがひと目で好きになったのは、数学に夢中で寮生活の理系男子。アルバイトと飲み会や行事や遊び満載で充実した毎日に、ちょっとした齟齬やトラブルが色を添えて、少しずつ二人の距離が縮まっていく様子が可愛らしい。それにしても、女子の割合が少ないとこんなに大事にされるのか…と、ずっと男女半々だった私は羨んでしまったけれど、いえ、主人公が可愛かったからですよね、単純に…
(熊木)