毎朝5時過ぎに起きる、というか目がさめます。ま、こんなに早い目覚めは歳のせいもあるんでしょうが、愛犬「テツ」との散歩がこの時間帯だということの方が大きいでしょう。テツは雄の柴犬、8歳。飼い主に似て利口とはとても言えませんが、世界中でいちばんかわいい犬です! 玄関先で一服つけて(家の中ではタバコを吸わせてもらえません)、朝刊にざっと目を通してからの寝ぼけまなこでの散歩は20分ほど。なんにも考えずただボーッと過ぎるこの時間がワタシにとって案外たいせつなものです。といっても、ボーッと頭をよぎるあれやこれやもあります。たとえば、3年前にやったブックフェア「いしいひさいち まんがまつり」のことをふと思い出したり。

 昼間は打って変わってピシッと仕事をこなし(ホンマかいな?)、次の“ボーッ”タイムは労働後の一杯の時。またまたなんにも考えない時間とはいえ、アルコールが回った脳みそはとんでもない妄想を呼ぶこともしばし。「素顔を決して見せないいしいひさいちサンに海文堂に来てもらって、参加者50人限定で話をしてもらえへんかなぁ」とか、「『1Q84』がばか売れの村上春樹サンに全国でココだけのサイン会(これまた50人限り)をしてもらうなんてことができたらなぁ」とか……。

 で、入眠儀式としての読書は、決まっていしいひさいちのまんが。愛は地球を救わないと思いますが、犬と酒といしいひさいちはこんなワタシを救ってくれています。


(福岡)