『BREASTS 』

 ■『BREASTS』 伴田良輔 写真・文 / 朝日出版社 2400円+税
 おっぱいだけの写真集らしい。店頭にある本書は帯で上1/3しか見えぬ。Web上だけで表紙全部見えるのは不公平ではないかい?
 全部見たい! けど、完全密封だ。買おうか? けど、こんなん持って帰ったらカアチャンにどつかれる。紹介、帯からすべて引用するしかない。
 
 そのままで、ただ見るだけで、誰もが幸せに感じるものがあるとしたら、乳房をおいてほかにないのではないでしょうか。
 誰もが、というのはもちろん男だけをさしているのではありません。(中略)
 まだ焦点の定まらない無垢な赤ん坊の、乳房の、いやもっとはっきりいえば、どちらか一方の乳首に、懸命に焦点をあわせていくようにして、ぼくはカメラの焦点をあわせたいと思いました。 (伴田良輔あとがき)
 愛とはオッパイである。ヒトのオスだけがセックス時にオッパイをまさぐるのは、失われた黄金郷へのノスタルジーのためといわれる……。(鹿島茂
「絵にも描けない美しさ」は、竜宮城じゃなく、富士山と乳房にこそある。だから伴田さんは「写真」でおっぱいに迫った。(山下裕二
 乳房は私の掌の形をしている。(堀口大學

 
 しかし、なぜ、この本が私の手元にきたのか? 新刊を仕分けしたスタッフが、「いやらしい! 平野行き」としたんだろうか? それとも、たとえば美術書担当が、「スケベー、平野行き」と放り出したのか?
 いずれにせよ、「みんな、エエカゲンにせい。売りたくないなら返品せい。なんで、たらい回しにするんじゃ。というより、わて行きなんじゃ?」
 腹が立ったので、追加注文したりました。私、売る気満々です。
 伴田さんは、本職版画家だそうで。私、ずーっと近代風俗史の研究者と思っていた。最近はパズルの本も多いです。


(平野)