週刊 奥の院 9.3

■ 内澤旬子のこの人を見よ』 小学館 1000円+税 
ビッグコミック スぺリオール』連載。
 旬子サマ、外で見かけたちょっとヘンな人様を観察・スケッチする習慣。
「市井のリアル、101名勢ぞろい!!!!」(帯)

……卒業旅行でギリシアに出た時に、目にする形や色の何もかもが新鮮で面白くて、ちょろちょろとメモに残したのがきっかけだった。東アジアから遠く離れた顔立ちの人々は、間近で見るだけで興奮したものだ。眉から眉間の高さや目の引っ込み具合、日本ならまずしない禁じ手に近い色合わせなのに、なぜか決まってしまうファッション、窓枠の鉢植えの並べ方、石の積み方、広場を中心にした街のあり方などなど。きりがないくらい、どこに行っても何を見ても興奮していた。……

 日本は町並みも人の顔もファッションも無個性で半端でつまらないと思っていたのだが、どこの国もそれなりに面白く、それなりにつまらないことに気づく。視点をちょっと変えれば面白いことを発見できる。08年に『おやじがき』で日本の中年男性を描いた。本書では、老若男女すべての人を対象にする。

 1人目 地図板男 2009年1月 台東区・路地にて
 谷中の複雑に込み入った路地。地図やガイドブックを片手に歩いている人は珍しくない。旬子サマが注目した男性の地図は、木枠にブリキ板を打ち付けたもの。公共の地図表示版。勝手に外してきたのか?
 22人目 乙女、豹を背負って 2011年7月 文京区・屋外広場にて
「……流行や年齢に関係なく、年がら年中、ゆりかごから墓場まで? 豹柄を愛してやまない女豹……」
 生息エリアは主に関西だが、都内で発見。白い服の背中に「豹」の頭部、「豹」の周りにラメ入りの花とペイズリー模様、袖口はレース、スカートはひらひらロング、「豹」以外はキラキラ乙女。
「まじまじと背中を見つめていたら、“キラーン”と豹の瞳が緑色に光った」
「読む人」が何人か。
 60人目 読み寝 2011年2月 飯田橋駅・某カフェにて
 午前9時半のカフェ、「寄る辺なきおやじの生けす状態」。
 旬子サマ、原稿書きながら、読書ポーズのまま眠るおじさんを観察。おじさん、一度珈琲おかわりをして、結局3時間睡眠。
 94人目 縦書き横読み 2012年1月 日比谷線にて
 地下鉄内、「縦書きの小説を横に持って、左から右に読んでゆく」。
 旬子サマもやってみる。「う、読みにくい」。
「読み喰い」「大人漫画女子」「没入球児」なども。
 カバーを広げると写真のように。切りとって組み立てる「立版古(たてばんこ)」。江戸時代末から明治に流行した遊び。
  




















◇ うみふみ書店日記
 9月2日 月曜
 担当の【直】仕入れ出版社の本返品作業。
 またいつか、私の手で並べることができるように、と思う。
 そのひとつ「荒蝦夷」Hさんより電話。8月31日リブロ池袋本店で仙台出版社2名と同地出身P社Iさんのトークショー。ブックフェア「東北〈可能性としてのフロンティア〉」のイベント。途中から【海】の話をしてくださったそう。ありがとう。
 
 プレジデント社オンライン連載「本屋と旅する男」最終回。
http://president.jp/articles/-/10562
 
「朝日」のスポーツ欄、村上春樹ヤクルトスワローズファンクラブの「名誉ヤクルトファン」に。
http://www.yakult-swallows.co.jp/information/detail.php?article_seq=16407


本の雑誌』が【海】最終日をレポートしてくださることはお知らせずみ。担当編集者140B・Aさん(GF登録)、準備のため来店。【海】の最期を看取ってくださる方。すべてを任せよう。
 
 T書店大阪営業所のYさん(もちろんGF)がわざわざ客注品を持って来てくださる。雨の中、10冊も。児童書担当Tとともに恐縮、御礼。
Yさん、「こちら(【海】のこと)は数字とかお金とかで代えられないお店ですのに。残念です……」。
 私、このお言葉だけで成仏できます。お礼(?)にあと数回「奥の院」を送りつけます。
 
 各スタッフにお客さんや営業担当者から閉店についてのお便りがきています。ありがとうございます。
 
 以前に紹介した、友人の娘さんが【海】来店時にお客さんと店の人間が漫才していたという話。実は、店長でも私でもなかった。以下、母上からのメール。

娘が言っておりました。
「オッチャンと違う、女の人! お客さんと漫才してたのは女の店員さん!」
なんとまあ、ボケ・ツッコミ率の高い本屋でありましょうや!

 多分、前出の(児)担当の彼女です。


【文芸クマキ】のフェア「いっそこの際好きな本ばっかり!」、「読売新聞」で紹介してくださった。
 それぞれがPOP作成。どさくさに変態写真を使ったがいる!
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20130901-OYT8T01062.htm?from=tw
  
  
  
  









































ちんき堂」もやる!
  
 
 

















平野は、「みすず書房大人の本棚」に、「NR」。
  


















  
 
 





















もうふたつ隠し球あり。それは棚がガタガタになってから。【海】から目を離すな! エラソー!
(平野)