月曜朝礼新刊紹介

【文芸】 クマキ 
■ 馳星周 『ソウルメイト』 集英社 1600円+税
 
 著者のイメージは、バイオレンス、歌舞伎町など男臭いものだが、本書は「犬小説」であり「家族小説」。

言葉を交わせない。
ずっと一緒にもいられない。
そんなのわかってる。
だからこそ、一瞬が愛おしい。

余命わずかだと知らされた「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」
被災地・福島に母の遺した犬を捜しに行く「柴」
……「チワワ」「ボルゾイ」「ウェルシュコーギー・ベンブローグ」「ジャーマン・シェパード・ドッグ」「ジャック・ラッセル・テリア」たちが登場する、情感に満ちた全7編。(帯) 

 写真も著者。

【雑誌】 アカヘル
■ 文藝別冊『総特集 山田太一  テレビから聴こえたアフォリズム』 河出書房新社 1200円+税 
書き下ろしエッセイ  このごろの話
インタビュー  山田太一をつくった「知」
対談  × 田原総一朗
    × 木皿泉
山田太一全ドラマ解説
ドラマ名セリフ集
山田太一が選ぶ、50年後も読み継がれるべきアフォリズムの10冊
山田太一が選ぶ、50年後も観られるべき映画20本
……

「このごろの話」より
 戦争中に母と兄が病死。父と妹の3人暮らし。父が呑むと、
「いいか、世間てもんはな、お前になんの情も関心もない。いいような顔をする奴も、腹の中は冷たいもんだ。そう思って丁度いいんだ。そのくらいに思ってないといけない。……」
 と繰り返し言う。父にすまないという気持ちもあって、しゃべりたそうなときは聞いていた。就職しても、作家になっても、父の言葉を心がけてきた。今でもその声が聞こえるのは、同姓の有名監督のおかげ。 
「実に驚くべきほど、私は山田洋次さんと間違えられるのだ。……」
 松竹の先輩だが、あちらはよく顔を知られていて間違えられるはずはないのだが。
「な、ほっとするなよ」と父の声。
 本書出版の話も、「間違えているんじゃないの」と確かめたほど。

【ゴット】 海事
■ ピリカデザインの新製品 付箋5種 各420円(税込)

■ 『ritokei  季刊リトケイ』 NO.05 離島経済新聞社 680円(税込)
特集 美しい島々  (今号はケース入り)
椎名誠「北と南・黄金の秘島」
トム・ヴィンセント「日本の島と、生活のあたりまえ」 オンラインマガジン「PingMag」編集長、日本在住。
山本二三(にぞう)「五島百景」 宮崎駿映画作品の美術監督
島に縁のある知識人に訊く「島の学び、島の教え」
日本全国美味しい島々
 
(平野)
 なだいなだ逝去。
 

 専門家の知ではなく、人々の磨き上げられた「常識」こそが人間を解放する。そんな信念を持った人でした。 (内橋克人「朝日」6.11)

 宝塚の時代小説作家Tさん、新刊にサイン入れ。発売は週末。くわしくは金曜の「うみふみ」で。