週刊 奥の院 4.10

【雑誌】
■ 『京都図書館紀行』 玄光社 1200円+税 
1 街中で発見、個性派ライブラリー  京都国際マンガミュージアム  京都芸術センター図書室  関西アンスティチェ・フランセ 他
2 気軽に手軽に、公共図書館  府立図書館  国会図書館関西館 他
3 大人も子どもも本読みタイム  子育て支援総合センター  こどもみらい館子育て図書館  ピッコリ―(こども図書館)  大宮交通公園電車文庫  京都御苑森の文庫
4 学びをサポートする大学図書館
5 知的好奇心に応える専門図書館
 全24館紹介。 

■ 『京都本屋さん紀行』 玄光社 1200円+税
“京都らしい”本屋さん(古書店含む)23軒。

 街を歩いている時、そこに広がる景色が突然、図書館か本屋さんのように思えたことがあった。以来、通りや建物の並びを書棚に見立てて歩くようになった。あの通りは美術書、あの通りは文庫、向こうの通りは味わいのあるUSED BOOKS棚だな、そんなことを思いながら歩くと、書物の中を彷徨っているようで、すこぶる楽しいのである。今も私は、同じようにして京都の街を歩いている。立ち止まってその街並みを眺め、たくさんの書棚をそこに見つける。京都というのは、そんなことをイメージしやすい頃合いの大きさと景色を持つ街だと思う。

■ 寺山修司の迷宮世界  時代を挑発した異端者の全貌』 洋泉社MOOK 1600円+税   
● 天井桟敷ポスター誌上展覧会  
横尾忠則インタビュー  
●映画  園子温インタビュー  押井守インタビュー
●戯曲  松本雄吉×天野天街  演劇実験室◎天井桟敷  
●キーワードで読み解く寺山修司の迷宮世界
●俳句、短歌、詩 
●職業・寺山修司  写真、童話、競馬、スポーツ ……

■ 寺山修司と演劇実験室◎天井桟敷』 徳間書店TOWN MOOK 762円+税  
○ 九條今日子インタビュー  ○美輪明宏インタビュー  ○兄貴と、その兄貴分〜唐十郎寺山修司  ○寺山修司の劇世界と演劇革命  ○横尾忠則インタビュー  ○歌詞(うたことば)作家、寺山修司の業(わざ)

■ 『別冊太陽 寺山修司  天才か怪物か』 監修 九條今日子高取英  平凡社 2400円+税 

●言葉と闘った半生 
●前衛で奔る
●思考への旅

●世界の涯て
「死」と生きた(高取)より。
 寺山は19歳の時、ネフローゼで入院。輸血の血、医師が「悪い血しかない」と言うものを受け入れた。医師は「長くは生きられない」と語った。……

≪俺は逃亡馬だ。十八歳の時、短歌で新人賞を獲ってから、逃げ続けている。ライバルが追いついてきても、振り切る≫と語ったがこれは、せまりくる〈死〉からの逃走だったのだろう。


1979年11月、輸血の血による肝硬変で入院。
81年、谷川俊太郎の紹介で河北病院で受診。
82年、医者の忠告を無視して、映画のロケで沖縄、劇団パリ公演。暮れにマスコミに病状発表。
83年4月河北病院入院。
5月4日逝去。ちょうどその日に発売された『週刊読売』に自筆原稿掲載。
『墓場まで何マイル?』

……わたしは肝硬変で死ぬだろう。そのことだけは、はっきりしている。だが、だからと言って墓は建てて欲しくない。私の墓は、私のことばであれば、充分。……

(平野)