月曜朝礼新刊紹介

【文芸】 クマキ 

■ 能町みね子 『逃北(とうほく)〜つかれたときは北へ逃げます』 文藝春秋 1200円+税
 1979年北海道生まれ、茨城県育ち。イラストエッセイ、コミックで活動。ラジオでパーソナリティも。
 大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)のイラスト担当。

 いつでも北に逃げたい。私は。
 南の開放感、暖かさ、ほんとにいいものです。旅行でおとずれた春のおきなわは気持ちよかったよ。タイもよかったね。弛緩してた。たいがいのことはどうにかなるんじゃないの〜、っていう楽天的な気持ちになれそうだった。
 でも、南に住みたいとか、南の国で人生をやり直す夢を描いたりとか、そういう気持ちはまったくない。……
 私はキツいときこそ北に行きたくなるのだ。都会での生活に倦んだとき、南に行って気楽になろうという方面に考えは進まず、北に行ってしまいたくなる。
……最初に入った会社を辞めようと思ったときには青森に行った。三十歳の誕生日には、雪深い北海道に行った。そして今も私は、仕事に飽きれば札幌や仙台の不動産情報などをネットで探し、北での生活を夢想している。


【芸能】 アカヘル 
■ 島崎今日子 『安井かずみがいた時代』 集英社 1700円+税
 安井かずみ(1939〜94)、作詞家、作品は4000曲、著書33冊。77年加藤和彦と結婚。亡くなったのは55歳のとき。デビューは訳詞だったそう。年表を見る。『何も云わないで』『若いってすばらしい』『青空のある限り』『恋のしずく』『シー・シー・シー』『経験』『わたしの城下町』『よろしく哀愁』……。
 林真理子コシノジュンコ金子國義ムッシュかまやつ吉田拓郎らが思い出を語る。
 私事、小学生高学年から親しんでいた歌の数々。 




■ 池波正太郎 『味な映画の散歩道』 河出書房新社 1600円+税
(帯)

映画へ! 食べて。また映画!!
……名作を届け続け手くれたい毛並み正太郎の糧は、映画であり食べることであった。
早起きして映画、おいしいものを食べてまた映画、そしてちょっとひっかけて、帰宅して仕事、夜食、読書…。
すばらしい至福のひとときが伝わる映画人生の記録。

 怪傑・無頼・老猟師  アメリカ映画の新生  物事は、すべて、これ  エレガントな殺し  “失われた時代”の明るさ  ヒコーキ野郎のエクスタシー ……
小説現代」に連載した日記。


【児童】
わかやまけん 『てんじつき さわるえほん こぐまちゃんとどうぶつえん』 こぐま社 1200円+税 
著者 森比左志・わだよしおみ・若山憲
協力 てんやく絵本ふれあい文庫・岩田美津子  点字つき絵本の出版と普及を考える会  横浜市立盲特別支援学校
 既刊、『しろくまちゃんのほっとけーき』。
 小学館偕成社でも「てんやく絵本」あり。

(平野)
NR出版会「書店員の仕事」 特別編 震災から二年をむかえて(1)
「本の力、本屋の使命」 くまざわ書店市名坂店 中村さん

http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/memorensai_31.html