月曜朝礼 新刊紹介

 3週間ぶりの「月曜朝礼」。
【文芸】クマキ 
■ 長嶋有 『佐渡の三人』 講談社 1500円+税
 作家・道子の家族をめぐる連作4篇。3人は、道子とひきこもりの弟、再婚した父親。
(帯)のあらすじから。
佐渡の三人」  佐渡行その1。おばちゃん(大叔父の奥さん)が亡くなった。儀礼嫌いの大叔父に代わり、なぜか3人が佐渡にある一族の墓に納骨に行く。
「戒名」  ワンマンな祖母は生前に自分で戒名を決めてしまった。寝たきりの祖父母の世話をしているひきこもりの弟が言うには、問題は字数が足りないことだ。
「スリーナインで大往生」  佐渡行その2。祖母が亡くなった。享年99歳9ヵ月。「惜しい!」「スリーナインだ」と家族は盛り上がって……。
「旅人」  佐渡行その3。大叔父が亡くなった。祖母との「ダブル納骨」。父親の後妻を含め一族7人が佐渡に集まる。
 あらすじだけで傑作の予感。
(担当)とっても良い小説!
 装幀、名久井直子。題字は著者と思えば、荒木経惟

【海事】ゴット 
■ 上杉恵美 吉田孝志 『日本船伝統のおもてなし 飾り毛布 花毛布』 海文堂出版 1500円+税
 船室のベッドにある毛布でいろいろな形を創作。
「船室に華やかさを添える」「船にあるものを使って喜んでもらう」という船員の創意と工夫から生まれた「おもてなし」の表現。38種類の折り方を紹介。
 その歴史、船会社・事業体・折り手のプロフィール、継承の取り組み。
 1901年の日本郵船「春日丸」客室イラストがもっとも古い記録だそう。
 著者。上杉は「客船ホスピタリティー」研究者。吉田は元「青函連絡船」に乗船した鉄道マン。

【児童】
■ 安野光雅 『わが友の旅立ちの日に』 山川出版社 1600円+税 
 お孫さんのために書いた『ZEROより愛をこめて』という本がある。このたび新しく書きなおして、子どもたちに読んでもらいたいこと、日頃考えていることを本に。
 中学生時代に友だちと理屈を言い合いながら実感した「幾何学」の「線」。本を読むこと。成長して人生の先達から学んだこと。幼いころに父母から聞いた話。友、別れ、恋愛、科学……。
 いくら時代がかわっても「本を読んで自分で考えることが大切なことはかわらない」。
 切り絵「お前はピエロ」と未公開の絵も掲載。

(平野) 古本市です。いつものメンバーとはちがいます。大阪から1店、京都から2店、神戸は六甲と元町。
● 海文堂のイベント

■ Secondohand Book Fair on the Second Floor 
海文堂書店 2階の古本市  11・23(金)〜25(日)

参加店舗(50音順)  
口笛文庫  http://homepage2.nifty.com/kuchibue-bunko/
古書ダンデライオン  http://oldbook-dandelion.com/
古本 固有の鼻歌  http://koyu-no-hanauta.com/
トンカ書店  http://www.tonkabooks.com/
London Books  http://londonbooks.jp/

ちょっとお店の名前は変ですが、真面目で(?)明るい(!)古本市です。
古本好きの方はもちろん、一般の方にも気軽に来て頂けます!
絵本のコーナーもあります!