追悼 成田一徹

追悼 成田一
 辛いお知らせです。
 切り絵作家の成田一徹さんが10月14日脳出血で逝去されました。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005449412.shtml
 仕事先の東京で倒れられたという知らせを聞いたのは12日でした。享年63歳。
「神戸の残り香」も「BAR」も、あなたのお仕事はまだまだいっぱいあったはずです。
 海文堂は昔からお世話になっています。
 出版のたびにサイン会をしていただきました。個展も開催してくださいました。来店のたびにサイン入れを、奥の作業場でしてくださいました。本屋仲間の呑み会にも毎回気軽に参加してくださいました。
 忘れてはならないこと。
 神戸新聞連載中の「新 神戸の残り香」で海文堂を取り上げてくださいました。全文を引用いたします。2010年5月10日。

 頬打つ微かな潮風
 海の響きが聞こえるその屋号からして神戸の本屋である。海文堂書店。1914年創業。厳しい書店業界にあって、今も変わらず元町商店街で、本好きたちを温かく迎え入れている。
 書店よりも本屋でありたいがモットー。人と向かいあう商い。居心地の良さに長々と話し込む客もいる。本の重みと匂いをこよなく愛する店員たち。来るべき電子書籍津波に立ち向かうのは彼らと思いたい。
 2階の海事書コーナーに上ると空気が変わる。微かな潮風に頬を打たれた気がして、改めてここは神戸の本屋なのだと実感する。

 もうひとつ。
 優しい笑顔。
 海文堂はこれからもあなたの本を販売いたします。あなたの文章を励みに、笑顔を支えに。
 長い間のご厚誼に感謝申し上げます。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 読者の皆様、成田さんを偲んでください。
 http://ittetsu-narita.com/


【写真】右上、『神戸の残り香』(神戸新聞総合出版センター)。下、「神戸新聞」2010・5・10夕刊。
(平野)
 秋風が切り絵業師を連れてった

「全国書店新聞」10・15号 
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/news.asp?news=2012/10/15
「うみふみ書店日記」は、懐かしい人。私の担当はあと2回となりました。