週刊 奥の院 9.5

■ 寺岡洋 『ひょうごの古代朝鮮文化――猪名川流域から明石川流域』 むくげの会 1000円+税 
「むくげの会」は1971年発足。朝鮮の文化・歴史・風俗・言葉を勉強するサークル。神戸学生青年センターで月2回例会を開催。
 本書は「むくげ通信」連載の「風土記散歩」から。文字通りの散歩で、自転車・電車・バスを使って歩いて出かけたもの。ワープロによる手作り本。
 著者は1942年生まれ、西宮在住。
 テーマは、倭(日本)と古代朝鮮との交流・交通。目に見える形で残るものが遺跡。渡来人・渡来系集団に関わる遺跡を紹介する。河内・大和・近江などの遺跡は紹介されることが多い。本書は、播磨の一部・明石郡から摂津の河辺、武庫、有馬、莵原(うはら)、八部(やたべ)に残る遺跡を紹介。現在の行政区分では、尼崎・伊丹・川西・宝塚・西宮・三田・芦屋・神戸。
 古代では川の流域ごとに一定のまとまりがあった。
1 阪神地域――猪名川流域・武庫川流域  
2 北摂地域――武庫川中流
3 芦屋・東神戸地域――芦屋川から石屋川流域
4 生田川流域から明石川流域
5 明石川流域――大壁建物と煙筒が見られる地域

 神戸市中央区では「生田遺跡」。生田神社から西側に二つの時期の遺跡。5世紀中頃の遺構には導入期のカマドが出土。6世紀初頭の遺構には建物の柱穴が多数あり、有力豪族もしくはミヤケ(朝廷直轄)の倉庫群と考えられる。祭祀品も出土していて渡来色が強い。他、金属製髪飾りや馬具が出土した「生田町古墳」、飛鳥時代の鍛冶集落「二宮遺跡」など。急速な都市化で十分な調査がされなかったものが、再開発で発掘されることも。1930年代の地図には中山手通にも古墳が記載されているそう。
(平野)
 本日はJ堂ジミッチーの「結婚&退職&田舎帰ってしまえー」パーチーです。
 忘れてます。HP更新。
http://www.kaibundo.co.jp/index.html
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