週刊 奥の院 8.30

■ 中島さなえ 『お変わり、もういっぱい!』 講談社 1600円+税
「IN☆POCKET」連載エッセイ。
 大人の女性をつかまえて、「ちゃん」呼ばわりは失礼とわかっているのだけれど、やっぱり「中島さなえ」さんは「さなえちゃん」です。
 カバーの写真は、オリンピック銅メダルにあやかったわけではなく、さなえちゃんが中学3年間卓球部だったことによる。何年前や?
 その卓球話。
 運動不足を気にして、いろんな選択肢からカンフーヨガと卓球が最終二択、結果卓球再開。


……ラケット、ケース、ジャージの上下、シューズとそろえ、いよいよ卓球道場初日を迎えることになった。 
(ご近所、午前のクラス、集まった生徒は50〜60代主婦と、60代おじさん)
……あなどるなかれ、このおじさんおばさんたちがめっぽう強いのだ。そして教室にもかかわらず本気。ちょっとでも球を浮かせると容赦なくスマッシュを浴びせ、ミスをすると自分の太ももをラケットで打ち叩いておのれを叱咤し、横回転なのか前回転なのかよくわからない回転をかけてくる、百戦錬磨のおそろしい魔球の使い手たちなのだ。……

 卓球・虎の穴?
 コーチについて練習しているさなえちゃんに魔球人たちは興味津々。ひとりのおばちゃんが自分のチームに入れとスカウトしてくる。
 さなえちゃんも昔取ったシノズカ、ちゃうキネヅカで、闘争心がよみがえってくる。本気で卓球に打ち込みそうになるが……。
 オチは読んでください。私の口からは言えません。
 ヒント、ラケットケースに大きな声では言えないモノを隠していたという、若気の至りが……。
 さなえちゃんのン年間(進行中)の面白話公開。
(平野)