海事 & 奥の院

◇ 水曜(月一回) 2Fゴット朝礼
海文堂出版の新刊
■ 国土交通省総合政策局海洋政策課監修 バラスト水管理条約 【英和対訳】』 7000円+税 
[はしがき]より
 

 1980年代末から、北米五大湖などの淡水域や海洋・沿岸域において、外来種の生物の増殖が原因と考えられる環境被害(生態系の破壊)、経済的被害(産業・漁業活動への被害)、人の健康被害(病原菌)等の問題が顕在化した。これらの外来種は、船舶のバラスト水に混入して移動してきたことに起因するのではないかとの指摘がなされ、対策のあり方が国際的に問題とされるようになった。これが、いわゆる「バラスト水問題」である。……

 そもそもバラスト水とは?
……船舶の、トリム、横傾斜、喫水、復元性又は応力を制御するために、浮遊物質と共に船舶に取り入れられた水。
 門外漢はまだわからん。
 船の構造・運航上、バランスを取るために重しが必要で、水を使う。たとえば、カラの状態で出港する時はその港の海水を底のタンクに入れる。目的地で荷物を積むと、その分、水を排出する。その水(浮遊物質も)が環境に影響を与える。

■ 藤本昌志編 『海技士1・2N 口述対策問題集』 5000円+税 
 海技従事者国家試験には口述試験がある。
Part1 航海  航海計器 航路標識 地文航法 天文航法 電波航法 航海計画
Part2 運用  船舶の構造 復元性/トリム 気象・海象 操船 船舶の出力装置
Part3 法規  海上衝突法 海上交通安全法 港則法 船員関係法 船舶職員及び小型船舶操縦法 他、海洋汚染、検疫、水質、関税、商法、国際法など。

【海】で一番売れる海・船の雑誌 
■ 『LA MER ラメール』 No.216(2012.09−10) 日本海事広報協会 667円+税  隔月(偶数月)刊
特集 北前船の湊はいま 日本海編3
 バックナンバーもあり。

◇ 週刊 奥の院 8.23 
■ 稲泉連 『復興の書店』 小学館 1400円+税
 カバーに押印されている言葉。稲泉が出会った書店員たちの言葉の数々。

本の力を借りて 言葉の力を借りて  
そして私たち自身が元気でいれば
誰かが涙を乾かすことくらいできるんじゃないかな。

……店を再開すると大勢のお客様が来てくれました店内はぶつかりあいながらじゃないと歩けないくらいなんです。人垣のうしろから手を伸ばして雑誌を取ろうとする人たちを見ながら、『人はパンのみにて生きるにあらず』という言葉を文字通り実感する想いでした……

……現在のように震災関連の雑誌・書籍が売れているというのであれば、私たちとしてもまだ話は分かりやすかったんです。でも、震災当初に求められていた本はそれだけではなかった。あらゆるジャンルの本が買い求められていく様子には、「人が活字に飢えている」としか言いようのない雰囲気があった。私にはそう思えるんですよ……テレビや新聞では、ずっと津波の映像や不安になる情報が流れていました。もちろんそれは必要な情報だけれど、そうではないものも欲しかったんですよね、きっと。あのとき、世の中は自粛、自粛と言われていて、自分一人のために何かをしたり楽しんだりしてはいけない雰囲気でした。でも、たいへんな現状に堪えたり抗ったりするためには、やっぱり力が必要なんです。その力を養うために本が必要とされたんじゃないか、と感じるんです……本屋と言うのは神社の大木みたいなものでね。伐られてしまって初めて、そこにどれだけ大事なものがあったかが分かる。いつも当たり前のようにあって、みんなが見ていて、遊んだ思い出がある場所。震災が浮かび上がらせたのは、本屋は何となくあるようでいて、街の何かを支えている存在なのだということなのではないか。僕はそんなふうに思うんです……


 
週刊ポスト不定期連載された「復興の書店」に大幅加筆。本屋はもちろん、地元出版社、新聞社、製紙工場も訪れた。

 津波の恐怖や被災状況を語る皆さんは辛かったことでしょう。でも、“イイ顔”をされています。本を手にしているお客さんたちの笑顔を拝見して、うれしくなります。
 かつて神戸も経験したことですが、“日常”が大切です。小さな商いの本屋でも、店が開いていないといけません。他のお商売も同じです。普段どおりそこにあることが大事。
 本書で紹介されたお店はごくごく一部。多くのお店が再開にいたっていないことを忘れてはいません。
(平野)
いつ見ても、仙台ロフ子さんの笑顔、素晴らしいです。