月曜朝礼 新刊案内

【文芸】 クマキ
■ 田中慎弥の掌劇場』 毎日新聞社 1200円+税 
 毎日新聞西部本社連載(2008.10〜12.1)の掌篇小説37。芥川賞受賞後、初の単行本。
 

新聞の読者を意識し、文学の殻に閉じ籠らないような手法で書いたつもりですが、私なりの、一般読者に不親切な部分も、この際ですので御笑味ください。……

 時事問題、野球もネタに。
【担当者】「オチのないショートショート。(カバージャケットの手触り)これが“田中慎弥”という感覚か?」

【芸能】 アカヘル
■ 矢野誠一 『昭和の東京 記憶のかげから』 日本経済新聞出版社 2000円+税  演劇・演藝評論家。「昭和の東京」回想。
1 大下弘セネタースの青春  1946年1年だけ存在した球団と豪快選手。 

2 記憶のかげから  浅草、喜劇、講釈、浪花節……
3 あの人、この人  正岡容、ジャズマン、北村和夫三遊亭圓楽森繁久彌、つかこうへい、高峰秀子立川談志……
4 大人の道楽  和服、俳句、競馬、チャンドラー、祇園……
5 涙のみの技術  酒の師、トリスバー、焼酎、劇場のバー、田んぼの句会……
 
 

 いつの間にか五十年近くになる私の文章暮しをふりかえってみて、結局のところ自分の生きてきた時代と場所から、逃れることができなかった。……世のため、人のためという処世からおよそかけ離れた場所で、無頼に憧れながらそうなれず、無為徒食で終わるしかない貧しき人生記録と言ったら、気取りが過ぎるか。……


【海事】 ゴット
■ 笠原久司 『公開のための天気予報利用学』 舵社 1800円+税  
著者は気象予報士ウェザーニューズ社勤務、元は電機メーカーエンジニア。予報士の経験から、天気の勉強は気象学の勉強だけではないと説明する。
 船を安全に走らせるためには、操船能力だけではなく、船のメンテナンス、出港から帰港までの船体管理、海図・水路誌・潮汐表読解や予備ルートなど航海計画、不測事態に対応する危機管理も必要。
「天気の勉強」も同様で、気象学の知識だけでなく、「天気を把握して正しい判断をするための能力を身につける」ことが重要。観測値や天気図情報による的確な判断、操船能力や船の性能に照らして出港の適否や安全・快適なコースを決定する方法も身につけなければならない。



■ 『クルーズ』4月臨時増刊 

『クルーズシップ・コレクション 2012−2013 』 海事プレス社 1429円+税
○ 世界と日本のクルーズ事情 
○ 日本から予約できる世界のクルーズライン39社
○ 世界の主要客船 218隻を紹介



■ 『クルーズ』5月臨時増刊 『フェリーズ』vol.11 619円+税   
特集: 各地を繋ぐ長距離フェリーズで日本を巡る  
 北へ、南へ。海原を渡るフェリー・旅客船
(平野)