週刊 奥の院 4.9

■ 小林一郎 『「ガード下」の誕生――鉄道と都市の近代史』 祥伝社新書 780円+税
 建築を中心にした編集プロダクション主宰。「まち歩き」の視点から建築観察。
「ガード下」とは、鉄道の高架線路下の空間――土地・不動産。昔から倉庫やら商店、住宅などに利用されていた。赤ちょうちんとか靴磨きもある、と言うと年齢がばれる。暗い、うるさい、汚いというイメージ。近年は大きな駅の近辺はオシャレなショッピングゾーンになっている。
 本書は、「ガード下」の歴史・疑問について考え、現代流の利用形態を観察する。
 平地を走っていた鉄道がなぜ高架になったのか? 沿線の住民にとっては環境問題、鉄道会社にとっては経済問題。田畑を通り抜けている線路はいいが、人家密集地では、煙・踏み切り・用地買収などの理由で高架の方がよい。
 住所はどうなるのか? 所有権や使用料は? 居酒屋が多いのか? 
目次
まえがき
1. ガード下とは何か? その定義と魅力
2. 生命力あふれるウラ町・ガード下の誕生
3. 高度経済成長に誕生したガード下 その再生とオモテ化
4. 新時代に挑むガード下 ホテル・保育園
おわりに 庶民のエネルギーがあふれるガード下と、環境整備されるガード下
付録 さまざまなガード下遊歩

 神戸では、JR神戸線元町駅神戸駅間の商店街、阪神電車御影駅の商店街+お稲荷さん+泉、を紹介。

 元町・神戸間は、私の小中学の頃は多くの人が商売をしながら居住していたし、友人の家もあった。しかも通学路だった。また、前にいた本屋はJRと阪急の高架下だった。ひっきりなしに電車が通っているから振動は当たり前。1.17以前は地震のことなど考えもしていなかったけれど、以後も余震で揺れても震度3くらいだとわからなかった。
(平野)