週刊 奥の院 4.8
◇ 雑誌
■ 『考える人』 2012年春号 No.40 新潮社 1333円+税
特集: 東北 日本の「根っこ」
写真家が見た東北 ……木村伊兵衛の秋田。小島一郎の津軽。岡本太郎の山形・羽黒山。東北の地は、昔も今も、写真家たちを魅了してやまない。……
東北の土地の精霊 池澤夏樹 ……芭蕉、柳田国男、宮澤賢治らの旅した土地を辿りつつ、震災の爪痕を見つめなおし、地名や歌枕について考察を深めていく。……東北の地の深奥にあるものにふれようとする試み、そして土地の神を訪ねての「魂鎮めの小さな儀式」の軌跡。……
エッセイ
わが東北の思い出 ドナルド・キーン
青森県種差海岸――地球で一番美しい浜 椎名誠
人間でいることは悪くない、と感じさせる写真 大竹昭子
吉里吉里国と海坂藩――東北を見る二つの窓 湯川豊
インタビュー
仙台に暮らす 伊坂幸太郎
「美しい」と思う心で育んだ盛岡 末盛千枝子
キーワードで読み解く東北 言葉 本 暮らし 美人 小川 土 信仰 工芸 海
「本」は、熊谷雅也「お水潜(くぐ)りの聖書」。大船渡市「大船渡印刷」代表。同市の医師山浦玄嗣訳『ケセン語訳聖書』出版。
「汝の敵を愛せ」は「敵(かだギ)だってもどごまでも大事(でアジ)にし続げろ」。漢語は出来るだけ使わず、ケセン語のルビ、朗読CD付き。
津波被害でも生き残った聖書は「水潜りの聖書」と言われる。
グーテンベルクは商業印刷の先駆者として聖書を印刷しました。儲けるためだけなら聖書でなくてもよかったはず。でも、彼は聖書を印刷した。どんな情報を加工し流通させるか。そこに出版人としての目、価値観がある。ふるさとケセンにある誇らしく価値ある情報をこれからも全国に送り届けたい。……
(平野)