月曜朝礼 新刊案内

【文芸】 クマキ
 堀江敏幸 2冊 
■ 『時計まわりで迂回すること  回送電車?』 中央公論新社 1900円+税
 エッセイ55篇。
 表題作は、サミュエル・ベケットの戯曲「クワッド」(4人の俳優と照明、打楽器のための作品。俳優の動きを指示、「中心で出会ったときは時計まわりで迂回」)と、イギリス製オーディオ装置「クォード」中古セットを滞在先のフランスで注文したときの話。綴りは同じ、発音が違う。
 カバーの絵は北園克衛プラスティック・ポエム」より。装幀、ご本人と同社デザイン室。






■ 『振り子で言葉を探るように』 毎日新聞社 2800円+税
 書評集。さまざまな媒体で多数の書評。本書収録だけでも190冊あまり。人名索引、掲載書籍と初出一覧も。 

……どの一冊として簡単に語りうるものではなかった。
……数をこなせば悟りが開けるわけでもなく、再読が深い理解につながるわけでもない。それでも私は機会あるごとに本を手に取った。表紙に、開いた頁に、手を当てた。てのひらをかざし、耳を押し当て、なにかの気配を探ろうとつとめた。
ダウジング能力のように言葉の水脈を探るべく夢みる)
……水ではなく、言葉が相手になると、振れたはずの振り子の姿そのものが見えなくなることさえあるのだ。それでも、長くつづけていさえすれば、いつか指の先でその微動を、かすかな揺れを捉えることができるようになると信じたい。言葉の水脈を探ろうとしない者に、世界の揺れを感じる資格などありはしないだろうから。

 装幀 間村俊一
 


【担】が、実は先週新刊紹介をしたと。私、教科書販売で不在であった。なんで今頃? このコーナー嫌いなん?




■ 長嶋有 漫画家計画』 光文社 1600円+税
 長嶋の小説を漫画家が描く。
 萩尾望都「十時間」、衿沢世衣子「ぼくは落ち着きがない」、島田虎之介「猛スピードで母は」、フジモトマサル「ねたあとに」、陽気婢エロマンガ島の三人」、吉田戦車ジャージの二人 他。
 各作品に長嶋のコメント。コラムもあり。
 藤子不二雄特別参加で、著者似顔絵。







【芸能】 アカヘル 


■ オヤマダアツシ 『ロシア音楽はじめてブック』 アルテスパブリッシング 1200円+税
 カバーイラスト:コージー・トマト  作曲家イラスト:千原櫻子  ブックデザイン:折田烈 
(帯)

チャイコフスキーラフマニノフだけじゃないんです。 
帝政ロシアからソ連時代、そして現代までを彩る大作曲家たちの生涯と作品を詳しく紹介。
基礎知識を満載したコラムも充実! 

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2012 公認ブック 
http://www.lfj.jp/lfj_2012/
 音楽史の長い時間の中でのロシア音楽を見る。国際的によく知られる作曲家が登場するのは19世紀前半。チャイコフスキーはその後。
(平野)