週刊 奥の院 2.25
■ 『大杉栄 日本で最も自由だった男』 河出書房新社 道の手帖 1600円+税
鎌田慧×中森明夫 今こそ大杉の精神を想起せよ
瀬戸内寂聴 大杉栄の自由恋愛
宮崎学 大杉栄ならどうしただろうか?
ECD さようなら大杉栄
角岡伸彦 半ば同感、半ば反感
インタビュー 大杉豊 大杉栄はいつも、人間本来の在り方を提起する
加藤登紀子 誰からも支配されない自由を希求するために
佐野眞一、雨宮処凛、鈴木邦男 他
内田魯庵『最後の大物』より。
大杉とは親友という関係じゃない。が、最後の一と月を同じ番地で暮らしたのは何かの因縁であろう。……
九月一日の地震のあと、近所隣と一つに凝まって門外に避難していると、大杉はルイゼを抱いて魔子を伴れてやって来た。
「どうだったい。エライ地震だネ。君の家は無事だったかネ?」と訊くと、
「壁が少し落ちたが、たいした被害はない。だが、吃驚(びっくり)した。家が潰れるかと思った。」
「能(よ)く家の中に寝たネ」というと、
「大抵大丈夫だろうと度胸をきめて家の中で寝た。尤も、」
と塀の外を指して、「彼処(あそこ)へ避難所を拵(こさ)えて置いて、率(い)ざといえば直ぐ逃げ出す用意はしていた。アナーキストでも地震の威力には協(かな)わない。」と笑った。
9月16日9時頃、内田の家人が垣根越しに、大杉と野枝が出かけるのを見た。……
(平野) 碧野圭さんの「本屋訪問」更新。
http://aonokei.cocolog-nifty.com/syoten/2012/02/post.html