週刊 奥の院 2.17

◇ 雑誌
■ 『こころ』vol.5 平凡社 800円+税 
特集: 大正時代再発見
● 座談会 安野光雅森まゆみ半藤一利 
 デモクラシーと恋愛事件の裏側で――戦争の狭間に咲いた徒花
● 大正の知られざる表情 
もうひとつの大正教養主義――嗜み系“きょうよう女性”の存在 竹内洋
大正下町商人事情――ある家族の物語 近藤富枝
大大阪」建築逍遥 酒井一光

■ 『小説野性時代』3月号 角川書店 476円+税 
 100巻記念特大号 読切短篇饗宴&蔵出し野性時代  04年新創刊から100巻 大沢在昌奥田英朗貴志祐介柳広司の短篇と旧「野性時代」からの特集記事など
 特別付録 小説野性時代読切文庫(11) 物故作家未定原稿
松本清張 「トンニャット・ホテルの客」 1974年発表
隆慶一郎 「夜叉神の翁」 1988〜89年発表
藤原伊織 「異邦の声」 2006年発表

■ 『歴史と神戸』第290号 神戸史学会 600円+税 
 特集: 君本昌久と戦後神戸の市民運動
「市民同友会と君本昌久」  大村卓弘
「最期の同伴者――フランツ・シナトラ氏かく戦へり――」  玉井洋子
「君本昌久の戦後――「市民」像との格闘について――  高本伸夫
「戦後派モダニスト詩人君本昌久」  たかとう匡子

「市民同友会」は1948年(昭和23)発足した文化事業団体。前年発足の「むろうち文化協会」(長田区在住者を中心にした会が母体、神戸史学会創設者でもある落合重信は創立メンバーのひとり)から発展。講演会や地域の婦人会・学校等への講師派遣、文化教室開講など。君本は53年入会して事務局長、活動の中心となった。93年に会は活動を終えた。
 君本は詩人・編集者(1928〜97、その活動については季村敏夫『山上の蜘蛛』『窓の微風』【みずのわ出版】に詳しい)で、「神戸空襲を記録する会」も。また、神戸史学会は「同友会」の活動から生まれたもので(62年8月)、君本が「歴史と神戸」の誌名を発案、編集にも関わった。73年に「史学会」は自立している。
 神戸史学会は本年創立50周年ということになる。何やらイベントの予感!?

 毎回のことで恐縮。【海】は最新号のみ販売しています。バックナンバーにつきましては「神戸史学会」にお問い合わせくださいますようお願いいたします。
http://www.kobe-sigakukai.com/nc/htdocs/index.php?page_id=0

◇ 今週のもっと奥まで〜 
■ 石田衣良 佐藤江梨子 唯川恵
『トロワ――恋は三では割りきれない』 角川文庫 552円+税
 3人がリレーして恋愛小説。佐藤さんは女優さん、神戸出身。
 作詞家遠山響樹はエステ経営者浅木季里子と8年の付き合い。銀座のクラブで歌手の卵エリカを見い出す。季里子と共に彼女をスターにする計画。だが、恋に落ちてしまう。
 デビュー曲レコーディング終了後、エリカからメール。
 

どうしても、会って話をしたいです。今、響樹さんの事務所にむかっているので、すこしだけでいいから、時間をください。
……
「響樹さん」
 腕を広げて、響樹に抱きついてきた。手にしていた白いポリ袋が落ちた。がしゃんと瓶の割れる音がして、足元で泡の弾ける音とシャンパンのかおりが立ちあがった。
「おいおい、酔っているのか、エリカ……」
 つぎの瞬間に唇をふさがれてしまった。腕のなかのエリカの身体はひどく熱かった。まわした腕がタンクトップで裸の背中にふれた。エリカのはだは吸いつくように滑らかだ。響樹の頭のなかでヒューズが弾け飛んだ。理性で逆らえるような肉体ではなかった。圧倒的な吸引力で響樹をからめとっていく。
(これが、季里子のいっていた肌か)
……

◇ トンカ書店 ニュース というほどのことではないのですが、久しぶりの「トンカ書店」訪問。ようやく「縛り熊」を購入。850円。紹介してから幾年ぞ。色は数種類あり。
 
 そう、私が選んだのはピンク熊。
「あ〜、お前はなんていやらしい〜んだ!」
 おっさんアホか〜!
「トンカ」案内ハガキなどは【海】にありますが、熊さんは「トンカ」でお求めください。【海】のブログで見た、とおしゃれば、きっと……冷たい応対です。
(平野)