週刊 奥の院 1.25
■ 『吉田健一 生誕100年 最後の文士』 河出書房新社 道の手帖 1600円+税
吉田暁子 父との時間
新発見論考 ヨオロツパの文學での無頼
未刊行資料 中村光夫宛書簡
小説 春の野原
対談 金井美恵子×丹生谷貴志 吉田健一が小説を書く時をめぐって
他、清水徹、長谷川郁夫、松浦寿輝、保坂和志、朝吹真理子……。
……父ってとにかく可哀想でね、どんな本でも、必ず吉田茂の長男とよばれて始まるでしょう。誤解も多かっただろうと思うんですね、父の私生活ってあまり知られていないでしょう。父は子どもをお風呂に入れることまでやったんですよ。これが下手でね(笑)。父は偉いと思いますよ。だけど子どもはいい迷惑ですよ。……
母は父の若い頃の話をときどき私にはしてくれましたけれど、父のために発言する人間ってだんだんいなくなりますね。父が亡くなったときにごく若かった編集者の方ももう、ね。だから父の書いたものが読まれていくためには、誤解は永遠に数限りなく出てくるでしょうけど、取り消せるものがあれば消すというのも、後でやろうと思っているうちに私が死んじゃったということにならないようにと思っています。(暁子)
『新潮』で長谷川郁夫による評伝連載中。
■ 三田完 『モーニングサービス』 新潮社 1500円+税
士郎・宮子夫婦。50年ほど前に宮子の両親が始めた。永井荷風の写真がある。
宮子の両親はすでに亡く、建物も昭和の終りに改築した。ご近所の常連さんたち、近くの場外馬券売場に寄ったあとにお茶を飲みながらラジオの競馬中継を聴く競馬ファン、それに、近ごろ流行りの〈下町ウォーキング〉の途中で休憩していく年配のひとびと――そんなお客さんたちで、カサブランカはなんとかつぶれもせずにつづいている。
毎朝来ているのは、すき焼き屋の主人、藝歴45年の藝者。そこに珍客万来。
江戸情緒と昭和の香りが残る下町人情小説。
(平野)
ほぼ1年ぶりで更新。
みずのわ出版HPの「本屋の眼 番外 神戸・本屋漂流記」
いろいろとさぼっていまして……。 http://www.mizunowa.com/soushin/honya.html#me-33
さて、本日は「明日の本屋をテキトーに考える会例会」という名の呑み会です。会員諸氏時間厳守。