週刊 奥の院 1.4

■ デズモンド・モリス 『フクロウ その歴史・文化・生態』 白水社 2600円+税
 著者は有名な動物行動学者。フクロウの生態について二章、それ以外の章は古今東西における人類とフクロウの関係――神話・象徴・文学・芸術――、謎と魅力について。
 訳者は伊達淳、『チズラーズ』他多数。
目次
1  有史以前のフクロウ 
2  古代のフクロウ
3  フクロウの薬効
4  象徴としてのフクロウ
5  エンブレムになったフクロウ
6  文学におけるフクロウ
7  部族にとってのフクロウ
8  フクロウと芸術家
9  典型的なフクロウ
10 ユニークなフクロウ
年表
付録 フクロウの分類

 幸運を運ぶ、死の前兆、賢い鳥、邪悪、守り神、頑固、不気味……、
 

 フクロウとは矛盾した存在である。最も知られている鳥であると同時に、最も知られていない鳥でもある。……ほとんど見たことがないのにその姿かたちについてどうしてよく知っているのかというと、話は少しややこしくなる。答えはそのユニークな頭の形にある。人間と同じように、フクロウの頭も幅が広くて丸く、顔は平らで、左右に離れた大きな目は前をじっと凝視している。人間に似ているというのは他の鳥には見られない特徴で、古くには、フクロウのことを人間の頭をした鳥と呼んでいた時代もある。

 人間の顔に似ていることが原因で、いろいろ矛盾した考えを人間が勝手に持った、という訳だ。
 モリスは少年時代に出会ったフクロウのことを語っている。
 人間のせいで傷ついて苦しんでいるフクロウを見つけ、見捨てていくか、殺して楽にしてやるか、迷って何時間もそばにいた。
 第二次世界大戦中のこと。

 その日、ヨーロッパの至るところで負傷することになる無数の人々を象徴しているように思えた。あの時、どれほど人類を憎く思ったことか。容易な方法に逃げるわけにはいかないと思った。わたしは大きな石を探してきて、それで……。

 フクロウの苦しみを終わらせてやる。本書は、あのフクロウに対する償いの気持ちによるところが大きい、と。

■ 1月イベント 
 阪神・淡路大震災17年 メモリアル「一行詩」と「絵画・華道」展 “希望” 
 主催:きかんし協会  協力:神戸市立摩耶兵庫高校華道部
1.14(土)〜16(月) (16日は17:00まで) 2Fギャラリースペース 入場無料 
14・15両日 16:00より うたとギター演奏(もりたあきら・千葉直義)
 
 (平野)
 そろそろ日常に戻らねば。そう、アホ話。
 年末に、娘が「とうさん、頭、さぶい!」と私の頭を睨んで怒ります。それで帽子を買ってくれました。その帽子、カッコ良すぎて、私のイデタチにはいっこも似合わん。それこそ、さぶい!