週刊 奥の院 10.12

■ 藤川隆男編 『アニメで読む世界史』 山川出版社 1500円+税 
執筆は大阪大学文学部西洋史研究室の院生の皆さん。

目次 物語の旅とトポス
第1章 レ・ミゼラブル 少女コゼット  つくりかえられた女性像 
第2章 フランダースの犬  つくられた国家と少年の夢
第3章 家なき子レミ、ペリーヌの物語  近代フランスの子どもたち
第4章 アルプスの少女ハイジ  スイスのアイデンティティ 
第5章 小公女セーラ  イギリス社会の階級意識と帝国
第6章 母をたずねて三千里  大西洋を渡る移民たち
第7章 家族ロビンソン漂流記――ふしぎな島のフローネ  文明の移植と人種主義
第8章 トム・ソーヤーの冒険  アメリカ的自由を求めて
第9章 トラップ一家物語  多民族国家のパスポート

 テレビアニメ「世界名作劇場」で放送された作品。藤川教授は、これらが共通の時代背景をかかえている、と。
 

19世紀を舞台とし、大規模な空間的移動と社会階層の変動という、世界史の二つの大きな動きを反映しています。つまり、世界がグローバル化し、かつてなかったような規模で人びとが移動し、旧制度と呼ばれる古い身分制度が崩れて、私たちが知っている近代的な世界が誕生しようとした時代を映し出しています。

「新大陸の発見」後、ヨーロッパ列強は南北アメリカに植民地を建設、同時にアフリカから大量の奴隷が入植させられる。17世紀から19世紀初めにかけて200万人以上のヨーロッパ人と800万人以上のアフリカ人が南北アメリカに移動した。
 19世紀になると、ヨーロッパ人は世界各地に移動。その数、1824年までに5000万人以上といわれる。7割が北アメリカに移住した。
 海外移住のためには、ヨーロッパ内部で身分・土地など伝統的しがらみから解放されることが必要。これに大きく貢献したのがフランス革命産業革命という、政治的・経済的変動。そして、国民国家の誕生と強化。軍事力増強のための兵士と、軍事費のための税金が不可欠。国民の忠誠心・国民意識を高めなければならない。
 本書を順に読むことで、この大きな流れを理解できるよう構成されている。

……ヨーロッパ中心部に始まり、ヨーロッパ外の世界と植民地などを通じてつながりの深い、イギリスに進みます。続いて、イタリアからアルゼンチンを結ぶヨーロッパからの出稼ぎから、オーストラリア植民地への移民の旅、ヨーロッパ人が多数移民したアメリカの南北戦争期を経て、再びヨーロッパに戻り、20世紀のオーストリアやドイツ、イタリアにつながるようになっています。

 アニメ自他の数々のエピソードを紹介し、疑問も語られる。
 たとえば、ハイジはチーズフォンデュを食べたのか? など、スイスの歴史・文化も説明
(平野)
 いよいよ、今週金曜日から開催。 下町おかんアート展 
神戸下町おかんアート展 
10.14(金)〜16(日) 11:00−18:30 2F ギャラリースペース 入場無料 手作り教室参加の費用 500円
 手作り教室 予定 各教室とも5名限定 要予約 予約:078−671−1939 下町レトロに首っ丈の会事務局 
14日(金)

11:30〜 村井さん夫妻 牛乳パックと古切手を使った小箱

12:30〜 水上さん 小さな折り紙の傘づくり

13:30〜 小林さん 牛乳パックでつくる花瓶

14:30〜 香坂さん おしぼりタオルで犬を作っちゃおう

15:30〜 青木さん 布で作る“おいなりサイズ”の小物入れ

16:30〜 tot−zien(トット・シーズン)さん サボテンの寄せ植え(小4以下は保護者同伴)

 15日(土)

11:30〜 絵本作家ふじたなおこさん 牛乳パックでつくるパペット人形

12:30〜 針金作家uraimayumiさん ゆらゆら揺れる手のり鳩をつくろう

13:30〜 秋本さん 折り紙でつくる立体仕掛けおもちゃ

14:30〜 余舛(よます)さん アクリルたわしづくり

15:30〜 青木さん 布でつくるチューリップ

16:30〜 写真家hanoA(はのあ)さん フォトボードを作ろう

 16日(日)

11:30〜 香坂さん おしぼりタオルで犬を作っちゃおう 

12:30〜 淡路屋・伊藤さん 簡単トトロ手ぶくろ人形

13:30〜 香坂さん ラメ入りしじみストラップづくり

14:30〜 彫々葉・印石・彫書 寺本さん 熨斗袋教室

16:30〜 作品大自慢&大交流会 「おかんアートサミット」 参加自由