週刊 奥の院 9.5

■ 『八画文化会館』 創刊号 総力特集:終末観光 革命的なニッポンの旅へ
八画出版部
 1429円+税
 
 名古屋で廃墟や秘宝館の写真集を出版していたところ。どういう訳だか、某J堂某S宿店の若手・春さんがコロッと転職して行った。本書の編集長さまにおなりあそばしておられるぞ。“タダモノ”ではないと睨んでおったが、「ああ、こういうヒトだったのね!」という今さらながらの感慨深し。
「終末観光」とは?  珍スポット、珍寺、廃墟、廃線酷道など、旅人の独自の価値観で観光の目的地になるという、ちょっと変人の旅行から、また一歩前進して、自分勝手に旅の目的地を作り出す。たとえば、「とっくに営業をやめているボロボロの旅館」に泊まる。
 

 時代からも地域からも置き去りにされ、そこにあるのに、ないことになっている。廃墟でも珍建築でも珍スポットでもない、ボロいのが最大の特徴である旅館。引き寄せられるようにして、そこに泊まっていたときに、ふと閃いた。私の旅は「終末」の旅だ。……
ひっそりと運命を受け入れるようにして、やがてこの世から姿を消すもの。もしくは延命処置を繰り返した結果、摩訶不思議な何かに変態するもの。寂れてはいるけれど、よく観察すれば、モダンであったり気品があったりするもの。最初から一貫して、時代や地域からズレっぱなしで「終れない」もの。物事の終わりの時期には、いろんなドラマが待ち受けている。……

 で、いきなり出てくるのが「危険な食べ物を注文する」 ゲテモノです。気の弱い人はムリしないで。
「招かれざる客だけが知っている」 指宿の謎の秘宝館、京都のモダンな立ち入り禁止建造物。
「お金を払って、寂しさを買う」 奈良のボウリング場、和歌山最強の終末旅館など。
 さらに、町おこし(おこしすぎのテーマパーク?)、軍国酒場、もうひとつの温泉、遊郭跡、お土産(変なモン)……。
 強烈パワー全開で来る。あんたら、次のページめくる勇気あるか〜? と迫ってきよる。

http://www.hakkaku.cc/cultureunion/index.html
(平野)春さんよ、人生捨てた訳ではないよなー?
 『ミーツ・リージョナル 』10月号、「ひさうちせんせのちょっとHな学校」200回スペシャル特別インタビューを見よ。
 小降りになったので買物に出かけて、滑って転んで、さあたいへん。昨年末の悪夢再び?