月曜朝礼 新刊紹介
【文芸】クマキ撰
■ イアン・マキューアン 村松潔訳
『ソーラー』 新潮社クレスト・ブックス 2300円+税
1948年生まれ、イギリスの作家。サマーセット・モーム賞、ブッカー賞、エルサレム賞受賞。映画「つぐない」の原作『贖罪』(新潮文庫)など、暗い作品が多い人だそうで、本書はジャケットを見る限り雰囲気が違う。
ノーベル賞学者だが、狡猾で好色という人物、同僚の研究――太陽エネルギー――を横取りして一儲けを狙う。取り巻く女たちもしたたか。
本書をメインに、“クレスト・ブックス”フェア開催。
■ アン・タイラー 中野恵津子訳
『ノアの羅針盤』 河出書房新社 2300円+税
1941年ミネアポリス生まれ。80年代のベストセラー作家。古き良き時代の質素で倫理的な人びとを描く。
本書のテーマは「老い」。
「テーマは深刻だが、いつものように平易な言葉を、気のおけない友だちとしゃべりでもするような、なにげない調子で表現してみせる」(訳者)
田辺聖子さんみたいな感じか。
【芸能】アカヘル撰
■ ロバート・ヘンライ 野中邦子訳
『アート・スピリット』 国書刊行会 2500円+税
(帯)より。
“80年以上にわたってアメリカの若き芸術家たちのあいだで読み継がれ、デイヴィッド・リンチ、キース・ヘリングらをも魅了した芸術指南書の古典的名著がついに邦訳。
「傑作を生みだせ――君自身と同じくらいの傑作だ」
「芸術家として生きる人生はすばらしい。それは、どんな人にも可能なことなのだ」
「拒絶を恐れるな。すぐれたものをもつ人間はみな拒絶を通過してきた」
1923年、画家ロバート・ヘンライ(1861〜1929)がおこなった講義録。出版されると若き芸術家たちのバイブルとなった。
解説は、美術・映画評論家の滝本誠さん。
(平野)