週刊 奥の院 8.11

◇ヨソサマのイベント

CHAIN OF ART アーツエイド東北 チャリティー美術展
ギャラリー島田  078−262−8058
8.19(金)〜22(月) 12:00〜19:00(最終日16時まで)

http://www.gallery-shimada.com/schedule/exhibition/chain_of%20art_1108.html


■ 鶴見俊輔 関川夏央
『日本人は何を捨ててきたのか  思想家・鶴見俊輔の肉声』 筑摩書房
 2200円+税

第1章  日本人は何を捨ててきたのか  近代日本が見失ったもの 戦後体験と転向研究  (NHK教育テレビ「未来潮流 哲学者・鶴見俊輔が語る」 1997.3.15放送)
第2章  日本の退廃を止めるもの  変わらない日本人の心 日本人の未来像 (2002.12.3〜4 京都にて)

 巻末の鶴見俊輔先生の「敗北力」】(関川)より。
 インタビューから時は過ぎているが、関川さんは、「戦後時代」最大の思想家の肉声が「反古にならず、とにかく日の目をみることになるのはめでたい」と考える。
 高名な政治家の家に生まれ、周りは秀才ばかり。中学を放校になった不良がアメリカに放り出される。日本での学歴は小学校卒業。16歳でハーバード大学に入学し、19歳で卒業、日米戦争が始まり日本人は収容所送り。卒業試験のために教授が出向いてくれた。日米交換船で帰国。
「私はこの人に戦前という時代の明るさと、都会の不良であった昔の面影を見た。有閑階級の親の過干渉の犠牲を思いつつ、アメリカという国の懐の深さに驚いた。すなわち、この人に歴史を見た」
 3.11のあと、鶴見さんは「敗北力」という短文を雑誌『世界』に寄稿している。
「敗北力は、どういう条件を満たす時に自分が敗北するかの認識と、その敗北をどのように受けとめるかの気構えから成る」
 日本人が「捨ててきたもの」のうち、もっともかけがえのないのは「敗北力」だと。
「敗北力」とは? 
 昭和20年代の国会、共産党書記長が与党を攻撃、時の首相に「参ったか」と見栄を切る。首相は笑いを返す、そのユーモアの呼吸こそが「敗北力」。
 日露戦争の指導者は、「敗北力の裏打ちある勝ち戦を進めることができた」――敵を研究して、敵を軽んじることなく、しかも勇敢であろうとすること、攻勢終末点と「戦後」について思いをめぐらすこと。
 長州藩は……、(と例は続く)
「戦後」時代は、「負けに乗じた時代」にすぎず、「敗北力」を鍛えたわけではなかった。
「今回の原子炉事故に、日本人はどれほどの敗北力をもって対することができるか。これは、日本文明の蹉跌だけではなく、世界文明の蹉跌につながるという想像力を、日本の知識人はもつことができるか」

(平野) 碧野圭さんのブログ、紀伊國屋仙台店、大きな被害。
 http://aonokei.cocolog-nifty.com/syoten/2011/08/no117-b656.html
 一部で話題の“海文堂つながり、美女3名と野獣たち”、阪急電鉄のPR紙に。Webではこちら、TOKK 8.15号。
 http://www.hankyu-com.co.jp/tokk/
 どうして“ビジュアルH”はいないんだ? 
 彼らは古本者。それに、というより、私、美女とだけ写りたいし。