週刊 奥の院 8.6

■ 小島毅 『「歴史」を動かす』 亜紀書房 1800円+税
 著者は1962年生まれ、東京大学人文社会系研究科准教授、中国思想史。『父が子に語る日本史』『父が子に語る近現代史』『義経のアジア』(トランスビュー)他著書多数。
 カバーより。

信長、足利義満、清盛など、私たちがよく知っている歴史上の人物は、実際の歴史学の研究で明らかになっている実像とはかなりかけ離れている。たとえば清盛。悪役のイメージが強いが、宋との関係を再構築しようとする国際感覚のある人だった。清盛のイメージは鎌倉時代に作られ、勝者の視点を引きずったまま今日にいたっている。人物だけでなく、南北朝の意味、倭寇の存在、明治維新の背景など、歴史上の事柄はある時代の見方や考え方の影響を受け、常に更新されつづける。日本の歴史を東アジアのなかで見直し、歴史の見方そのものについて考えてみよう。

 目次
一部  近代はいつからか  明治のリーダーたちの一般教養――儒教  日本と朝鮮半島の近代化はどう違う?  近現代史の描き方
二部   三人の先駆者たち  南蛮貿易織田信長  勘合貿易足利義満  日宋貿易平清盛
三部   変わりうる歴史認識  なぜ南北朝があってはならなかったのか  南北朝時代の思想的背景  謙信・兼続と鎌倉

 歴史学者の真摯な研究によって、これまで知られていなかった史実が明らかになる、史実だと思い込んできたことがそうでないとわかる。だけど、私たちは小説やテレビドラマの筋書きを“史実”だと思い続けてしまう。坂本龍馬が維新の立役者、など。
 明治維新・文明開化の思想的背景には儒学があった。
 信長は南蛮文化を取り入れた進歩的人物というイメージだが、実は東アジアを見据えていた。
 南北朝時代を異常事態とみなすこと自体に意味がある、意味を持たせる=天皇中心という歴史認識
……
「過去に対する見方を動かし、それによって私たち自身の現在や未来を考えるためのよすがとしたい――歴史を鑑とすることの重要性は日増しに切実さを加えているから」
(平野)
 8.4 用事があって三宮をウロウロ。時間が余って、同業大型店や繁盛店を見学。どのお店も、以前となんか感じが違います。ヨソサマのことをとやかく言える立場ではないのですが。たとえば、地域1番店、棚はホコリだらけだし、蛍光灯は切れていたりチカチカしてるし、平台の本は散らかっているし……、どうしたんだ? 
 【海】ヒマです。でも、しなければならないことやら、したいことがありまして、それなりに時間が必要です。
 今日(8.5)は、個人的に良い日でありました。ウフフ(ハートマークいっぱいひっつけたいくらいです)。遠い遠い街の書店員さんに原稿依頼、快諾いただきました。スケベ通信も送ることに。みんな、楽しみは自分で見つけようね!