週刊 奥の院 7.27

■ 加藤碩一 青木正
『賢治と鉱物  文系のための鉱物入門』 工作舎
 3200円+税
 http://www.kousakusha.co.jp/DTL/kenji_pre.html
 これぞ「工作舎の本!」というべき本! (私のぼんやりしたイメージです、科学と文学〜という感じ)
 鉱物53種、カラー写真109点。
 本はもちろん美しいです。担当編集者が、これまた美しいIさん!!!(ハートにしたいくらい)
 本の内容は上記HPを見てください。写真もご覧いただけます。
 
 宮澤賢治は「石っこ賢さん」とあだ名されたほど、幼い頃から石に興味を持っていたそうです。何かの本で、賢治が宝石研磨の仕事を計画していたと読んだことがあります。

銀河鉄道の夜
 カムパルネラは銀河ステーションでもらった黒曜石の地図を持っている。白鳥停車場でジョバンニとカムパルネラは外に出て、汽車から見えた河原に行く。
 

 カムパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、掌にひろげ、指できしきしさせながら、夢のやうに云ってゐるのでした。
「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えてゐる。」
「さうだ。」どこでぼくは、そんなことを習ったらうと思ひながら、ジョバンニもぼんやり答へてゐました。
 河原の礫は、みんなすきとほって、たしかに水晶や黄玉や、またくしゃくしゃの皺曲をあらはしたのや、また稜から霧のやうな青白い光を出す鋼玉やらでした。ジョバンニは、走ってその渚に行って、水に手をひたしました。けれどもあやしいその銀河の水は、水素よりももっとすきとほってゐたのです。
……

(平野)本日、書店員暑気払いです。野郎共ばっかりで、おっちゃんは寂しい、暑苦しい、でも楽しみ。